<ラグビー全国大学選手権:早稲田大15−33帝京大>◇13日◇決勝◇東京・秩父宮ラグビー場◇観衆1万9035人
早大(関東対抗戦1位)が5大会ぶりの優勝を逃した。3連覇中の帝京大(同2位)に屈し、関東対抗戦に続く頂点には届かなかった。
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1人だけベンチコートを着ることなく、早大の佐藤健次主将(4年=桐蔭学園)が泣きじゃくった。
表彰式を終え、記者会見を迎えても止まらない。「本当に僕の責任。主将以外は全員勝てたと思います。本当に申し訳ない」。周囲をかばい、責任を背負い込んだ。
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5大会ぶりの頂を、本気で目指してきた。昨季は準々決勝で京産大に28−65の大敗。今季の始動は例年より約1カ月早い24年1月9日だった。こだわったのがスクラム。FWは最初の1カ月、個々で四つんばいの“亀の姿勢”を1時間繰り返した。基礎を固め、2月からは8対8で週末に1日100本。シーズン通して強みとした武器で、前半2分に反則を取られた。以降は押し込まれる場面が目立ち、12−14で入った後半の3トライ献上で力尽きた。
佐藤は神奈川・桐蔭学園高の主将として花園2連覇。第3希望まで書く部内の進路調査で、全てに「早稲田」と記した。FWも走り、パスができるラグビーが好きだった。日本代表を目指し、2年時にFW第3列からフッカーに転向。セットプレーに苦しみ、周囲の雑音も聞こえた。それでも第107代主将となり「歴史、赤黒(ジャージー)に対する重みを感じた。早稲田なら負けちゃいけない」と部内外の夢を背負った。
無念は後輩に引き継がれる。前半15分にトライした日本代表FB矢崎は「自分たちに足りないことを精査したい」と唇をかみ、フル回転した1年生SO服部も「来年は『1年生だから』というのは通じない。自信をつけて、引っ張りたい」と誓った。大田尾竜彦監督は続投が基本線。日本一への挑戦は続く。【松本航】
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