事前に取り分を調整か=「3分の2」還流で元理事長に3700万―現金入り紙袋を手渡し・東京女子医大背任事件

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2025年01月14日 21:01  時事通信社

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時事通信社

 東京女子医大の新校舎建設を巡る背任事件で、大学の資金を不正に支出したとして逮捕された元理事長岩本絹子容疑者(78)が1級建築士の男(68)との間で、大学から振り込まれた資金の取り分を事前に調整していたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁捜査2課は、岩本容疑者に還流された金は計約3700万円に上るとみて、資金の流れを調べる。

 捜査関係者によると、2人は実態のない建築アドバイザーの報酬などとして大学から建築士に振り込まれた約1億1700万円のうち、税金を差し引いた額から岩本容疑者側が3分の2、建築士が3分の1を取り分とすることで合意。最終的には、税額を控除した約5500万円のうち、約3700万円が岩本容疑者に還流され、残りは建築士が受け取った。

 受け渡しの場所は、岩本容疑者の側近の女(52)が建築士にショートメッセージサービス(SMS)で連絡。建築士はアドバイザー報酬の振り込みが始まった2018年の岩本容疑者の取り分について、19年2月、二重にした紙袋に現金を入れ、同容疑者宅の最寄り駅周辺で側近に手渡した。

 建築士は19年の取り分についても、20年2月、同様の方法で側近に手渡していた。同課は側近と建築士の供述などから、手渡された現金は即日、岩本容疑者に渡り、ブランド品の購入などに充てられた可能性もあるとみて調べている。

 岩本容疑者は18年7月〜20年2月、新校舎建設を巡り、大学から建築士に計約1億1700万円を不正に振り込ませ、同大に損害を与えたとして、13日に背任容疑で逮捕された。 
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