「nubia Flip 2」は価格破壊で“手の届きやすい折りたたみ”に コスパが支持されY!mobileの主要メーカーに躍進

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2025年01月14日 23:51  ITmedia Mobile

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上段左が閉じた状態の折りたたみスマートフォン「nubia Flip 2」、その右横がエントリーモデルの「nubia S 5G」、下がタブレットの「nubia Pad SE」

 ZTEジャパンは、1月14日に「nubia(ヌビア)」ブランドの本格展開を発表した。折りたたみスマートフォン「nubia Flip 2」、ストレートタイプのスマートフォンのエントリーモデル「nubia S 5G」、タブレットのエントリーモデル「nubia Pad SE」を発表した。


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 このうち、スマートフォン2機種は国内MNOではソフトバンクがY!mobileで独占販売し、nubia Pad SEはAmazonや家電量販店で販売する。価格と発売日は、nubia Flip 2が8万5680円(税込み、以下同)で23日、nubia S 5Gが2万1996円で16日、nubia Pad SEが2万9800円で17日となっている。


 1月14日の発表会場には下記4人が登壇し、ZTEジャパンの周涛(シュー・トゥー)社長、モバイルターミナル事業最高責任者の黄凱華(コー・ガイカ)氏、モバイルターミナル事業部で商品企画部本部の?鵬(ピーター・デング)氏が日本での事業戦略を語り、ソフトバンクでLINE&Y!mobile事業推進本部本部長の有馬英介氏が販売価格について説明した。


●nubia Flip 2はサブディスプレイでアプリ起動可能に 端末価格を抑え、耐久性は先代から向上


 発表製品の中でも目玉となるnubia Flip 2は、縦折りタイプのスマートフォンで、プロセッサにMediaTekのDimensity D7300Xを採用したミッドレンジモデルだ。本体を開かずに約3.0型のサブディスプレイを使って、通知確認や音楽操作ができるだけでなく、PayPayなどのアプリを起動して決済できる。決済機能としては、おサイフケータイにも対応する。


 ZTEジャパンが3月に日本市場に投入した先代「nubia Flip」からの大きな進化点もやはりサブディスプレイだ。nubia Flipで丸形だったサブディスプレイがnubia Flip 2では長方形になったことで、さまざまなアプリを表示できるようになった。丸形のサブディスプレイも時刻やカメラプレビューの表示に利用でき、ユニークさがあったが、PayPayなどのアプリ表示には非対応だった。


 サブディスプレイの横にあるアウトカメラは約5000万画素のメインカメラと約200万画素深度測定カメラで構成されている。インナーディスプレイの上部にあるインカメラは約3200万画素となっている。自分の姿をサブディスプレイで確認しながら、バイバイ、ピースなどジェスチャーをすると、ディスプレイに触れずにシャッターを切れる。カメラで捉えた人の顔の位置をAIで判断し、ステッカーを貼り付け、素顔を伏せた画像に仕上げられるAIフェイスステッカー機能も搭載する。


 音声通話アプリ、LINEアプリの通話を録音できる高機能通話録音機能を搭載し、録音を開始する際に、録音開始のアナウンスを相手に伝えないように設定できる。録音内容を自動でテキストデータに変換し、過去の通話記録を視覚的に確認できる。リアルタイムで文字起こしする機能もあるが、2025年3月以降に実装予定だ。


 耐久性についても、nubia Flipからアップグレードしている。本体を開くと、約6.9型のフルHD+有機ELディスプレイ(1188×2790ピクセル)を利用できるのだが、ZTEジャパンのピーター氏は、「折りたたみスマートフォンは、ディスプレイの折り目の部分が完全にフラットになっていないため、壊れやすいのではないか? という不安につながっていることが調査で分かった」とした上で、nubia Flip 2の折り目がnubia Flipと比較して「約25%フラットになった」と紹介する。


 約30万回の開閉が可能な点も強調。「1日100回開閉したとしても、10年ほどまで耐えられる」とピーター氏。さらに、インナーディスプレイの傷への耐性はnubia Flip比で2倍に向上し、ボディーは10%軽量化した。重量はnubia Flip(214g)より23g軽い191g。落下時の耐衝撃性能は「約3倍に向上した」(ピーター氏)という。


 スペックもnubia Flipとnubia Flip 2で異なる。例えば、プロセッサはnubia FlipがSnapdragon 7 Gen 1だったのに対し、nubia Flip 2ではMediaTekのDimensity D7300Xを採用。メインメモリはnubia Flipの8GBから6GBに、内蔵ストレージは256GBから128GBへと少なくなった。


 Y!mobileにおける一括価格は8万5680円だが、新規契約かMNPで他社からの乗り換えて、料金プラン「シンプル2 M/L」に加入すると、2万1600円引きとなる。さらに、「新トクするサポート(A)」を適用して特典を申し込むと、1〜24回の支払い総額が1万9680円(820円×24回)になり、縦折りタイプのスマートフォンとしては破格だ。


 縦折りタイプのスマートフォンは国内で「Galaxy Z Flip6」「motorola razr 50 ultra」「motorola razr 50」が最新機種として販売されているが、いずれも一括価格は10万円を超える。ZTEのピーター氏は「消費者が折りたたみスマートフォンの購入に踏み出せない理由の1つに端末価格」を挙げた。


 ソフトバンクの有馬氏も、2024年12月26日に、スマートフォンの値引き規制を定めた「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」の改正が適用されたことや、円高を背景に「スマートフォンの価格が高騰していること」を指摘する。それゆえ、Y!mobileでの新トクするサポート(A)が欠かせず、特に一括価格が3機種で最も高いnubia Flip 2の割引額は多くなっている。


●PayPayを即時起動できるnubia S 5G、薄さ7.65mmのタブレットも


 nubia Flip 2と同時発表のnubia S 5Gは、大型ディスプレイやサイドキーなどを特徴としたエントリーモデルだ。ディスプレイは、約6.7型のフルHD+(1080×2400ピクセル)の有機ELを搭載。プロセッサにはUNISOC T760を採用する。nubia Flip 2と同様に、高機能通話録音機能や、AIで音声を文字に起こす機能、AIフェイスステッカー機能を搭載する。生体認証としては指紋認証、顔認証に対応する。バッテリーの容量は、5000mAhとなっている。


 便利機能として、側面に「スマートスタートボタン」を搭載し、ワンプッシュで事前に割り当てたアプリを起動できる。PayPayアプリをこのボタンを割り当てておけば、混雑したレジ前ですぐにPayPayを起動し、決済を行える。nubia Flip 2と同じく、おサイフケータイに対応しているが、防塵(じん)・防水の性能は、nubia Flip 2のIP42よりも水やホコリなどに強い、IP68等級となっている。


 アウトカメラは、高精細な写真を撮影できるようにと、約5000万画素のカメラに加え、約200万画素の被写界深度用カメラ、約200万画素のマクロカメラを搭載。夜景などの幅広いシーンをきれいに撮影できるとアピールしている。ディスプレイの上部にあるインカメラは約1600万画素の単眼となっている。


 タブレットのnubia Pad SEは、クアッドスピーカーや画面分割などの機能を備えつつ、価格を抑えたのが大きな特徴だ。プロセッサは、nubia S 5Gと同じUNISOC T760で、タブレットとしてはエントリーモデルに位置付けられている。ディスプレイは10.95型のフルHD+(1920×1200)を搭載する。薄さは7.65mm、重量は約515gとなっている。IP42の防塵・防水性能を持つ。


 動画配信サービスを見ながら、Webブラウザで出演タレントや俳優を検索したり、SNSで投稿したりするのに役立つ画面分割機能、仮想メモリとして最大6GBまで拡張できる機能、ハードウェアボタンを使わずにスクリーンショットや再起動、ミュートなどを行えるZ-POPクイックナビゲーション機能、SNSに2つのアカウントで同時にログインできる機能も備える。


●3機種ともにnubiaブランド 山崎賢人さん起用で認知拡大にも尽力


 今回発表の新製品は、全てnubiaのブランド名を冠する。このうち、nubia Flip 2は語尾に数字が付いていることからも分かる通り、nubia Flipの後継機に相当する。ただし、nubia Flipは、ソフトバンクがY!mobileで2月29日に発売した「Libero Flip」をベースに設計されており、ZTEジャパンが後からオープンマーケット向けに投入した製品だった。これに対し、nubia Flip 2は国内MNOではY!mobile独占販売となり、従来のようにLiberoのブランド名を冠していない。


 nubiaは、ZTE傘下のNubia Technologyが展開するスマートフォンブランド。海外では高性能モデルを中心に投入しており、日本ではまずエントリーやミッドレンジを中心に展開する。


 ZTEジャパンのコー氏は、ブランドのコンセプトが「Be Yourself(自分らしく)」であると説明。ラテン語で雲を意味する言葉に由来し、自由な発想を象徴する。「消費者に新しい体験と変化を提供する」ことを目的としている。「個性に欠けているスマートフォンが増えている」(コー氏)だけに、「スマートフォンを単なる道具ではなく、自分自身の個性や価値観を表現するかけがえのないアイテムにしたい、と考えている」と同氏。


 そんなZTEジャパンとソフトバンクは、2019年11月にパートナーシップを結んで以降、「5年以上に渡ってパートナーシップの継続に至っており、現在ではY!mobileの最も主要なメーカーとして、販売台数が右肩上がりで伸びている」(ソフトバンクの有馬氏)という。


 この要因を、有馬氏は「コストパフォーマンスのよさが評価された結果だ」と分析。「バリューキャリアのメーカースマートフォンという枠組みにはなるが、国内調査会社調べでは『Libero 5G IV』が2.2万円以下のスマートフォンの中で最も売れている」(有馬氏)と、ZTEのスマートフォンを評価する。


 一方、これまでY!mobileで販売していたZTEのスマートフォンは、Liberoブランドを関しているのだが、有馬氏は「ブランドの認知度が低く、まだまだ課題がある」ことを明らかにした上で、「逆にいえば、この部分がZTEの販売をさらに伸ばす、オポチュニティ(機会や好機)になるのではないか」としている。ブランドがnubiaとLiberoの2つに分かれるよりも1つに統一した方がユーザーに伝わりやすく、ブランド認知向上につながると考えたことが分かる。


 ZTEジャパンのシュー氏は「2025年、テレビタレントの協力を得ることで、nubiaブランドの認知を日本で拡大していきたい」とし、イメージキャラクターに俳優の山崎賢人さんを起用したことも発表。nubia Flip 2のCMに出演し、会場に招かれた山崎賢人さんは、インナーディスプレイの折り目が目立たないことと、インカメラで自撮りした際の画質を評価していた。



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