佐々木朗希はどの球団でMLBデビューを果たすのか? パドレスはドジャース、ブルージェイズよりもいい相性?

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2025年01月15日 17:50  webスポルティーバ

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後編:佐々木朗希「最終球団候補との相性」考察

このオフ、メジャーリーグの移籍市場で注目を集めている佐々木朗希がいよいよ契約可能時期を迎える。最終候補に絞られたと言われているのが3球団。後編は前編のロサンゼルス・ドジャースに続き、サンディエゴ・パドレス、トロント・ブルージェイズについて考察する。

【パドレスは長期的視点、本拠地規模も最適か?】

 今回の"佐々木朗希争奪戦"ではドジャースの対抗馬と見られていたサンディエゴ・パドレスも、順当にファイナリストに残った。当初から指摘されていた通り、フィットのよさでは同じく最終候補に入ったドジャース、トロント・ブルージェイズと比べてもパドレスがトップではないだろうか。

 チーム内に多くの日本人スタッフを擁しているだけではなく、投手陣にはダルビッシュ有、松井裕樹がいる。特にほかの日本人メジャーリーガーから慕われている38歳の大ベテラン、ダルビッシュの存在は心強いはず。サンディエゴの気候の良さ、過ごしやすさは折り紙つきであり、その一方でライバルのドジャースほどファン、メディアのプレッシャーが激しいわけではない。

「ロウキがこれまでメディア絡みで楽しい経験をしていないことを考えると、小規模から中規模な市場のチームのほうが着地点として、より有益かもしれないという議論もある。小規模な市場にいることは彼にとって有益かもしれない」

 ジョエル・ウルフ代理人が昨年のウィンターミーティングの際にそう述べていたことも思い出される。カリフォルニア州の都市ではあってもスモールマーケットの枠内に入るパドレスは、まさにおあつらえむきだろう。

 パドレスの投手事情的にも佐々木はぜひとも欲しい選手に違いない。エースのジョー・マスグローブは右肘手術で離脱し、ディラン・シース、マイケル・キングはどちらも2025年が契約最終年。ダルビッシュも不惑に近づいており、次代を担う存在として佐々木に白羽の矢を立てたのは理解できる。

「佐々木(獲得)に向けていくつかの理由で好位置にいると感じている。私たちはサンディエゴで毎晩球場のチケットを完売させている強豪チーム。ワールドシリーズ制覇を達成し、自らのレガシーを築くチャンスがある」

 マイク・シルト監督がウィンターミーティング中、そう熱く語って"ロウキ強奪"に強い意欲を示していたのは、記憶に新しい。その当時から『USA Today』紙のボブ・ナイチンゲール記者のように、「ドジャースよりもパドレスの方が有力なのでは」とみていた米メディアも決して少なくなかった。

 1月中旬、パドレスの本拠地ペトコ・パークで、チームカラーである茶色のシャツを着た佐々木とみられるピッチャーがキャッチボールをする映像がSNSで拡散された。これが本当に佐々木だったとすれば、そこにはどれだけの意味があるのか。佐々木は自身のレガシーを築く場所としてサンディエゴを選んだのか。パドレスの努力に対する最後の審判は、もうすぐ下される。

【1年前に大谷を逃したブルージェイズは?】

 カナダに本拠地を置く唯一のMLBチームであるブルージェイズが最終候補に名を連ねているのは、軽いサプライズに感じるファン、関係者も多いかもしれない。

 昨季は74勝88敗と苦戦。ニューヨーク・ヤンキース、ボルチモア・オリオールズといった強豪が属するア・リーグ東地区内では、2025年も総じて優勝候補とは考えられていない。ウラディミール・ゲレーロJr.、ボー・ビシェットといった看板野手は今年が契約最終年であり、近い将来にチーム全体が岐路に立たされる可能性がある。

 また、これはマイナスとは限らないのだが、現在のブルージェイズのロースターに日本人選手はひとりも含まれてはいない(昨年末のリモート会見でウルフ代理人は「ロウキはチームに日本人選手がいるかどうかについて特に気にしているようには見えなかった」とは述べていた)。

 しかし、そんな状況にいるチームだからこそ、パドレス同様、佐々木のように将来性豊かな選手の獲得が必須なのかもしれない。『CBSスポーツ』のマイク・アクシサ記者は、その現状をこんなふうにまとめていた。 

「ブルージェイズは1年前のオフに大谷翔平、今オフにコービン・バーンズとフアン・ソトの争奪戦で敗れている。おかげでファンの気分は落ち着かない。

 そんななか、(佐々木のように)若くて優秀な先発投手が手に入ればブルージェイズを正しい方向に導く助けとなる。同時にゲレーロとの再契約の援護射撃になり、他のフリーエージェント選手をトロントと契約するよう説得もできるかもしれない。

 ブルージェイズは佐々木のフィールドでの才能に加え、彼がフィールド外でもたらす要素(市場価値の高さなど)を必要としている」

 とはいえ、ブルージェイズはやはり3つの最終候補の中でもダークホース止まりにも思える。投手育成の実績が豊富なわけでも、チームに日本のエース候補を強烈に惹きつけるだけの伝統があるわけでもない。最終的には今回も引き立て役に終わる可能性が最も高いのではないか。

 ただ......去年の大谷争奪戦でもファイナリストに残り、大谷がわざわざフロリダのブルージェイズキャンプ地まで施設を見に行ったと伝えられた。大物選手が考慮する職場として、MLBで最新鋭の装備を持つブルージェイズもそろそろリスペクトされてしかるべき、という見方もある。

 パドレス同様、トロントの本拠地でも佐々木が練習する姿がすでに目撃されたという。だとすれば? ここで大どんでん返しがあったとしても、そろそろ私たちは驚くべきではないのかもしれない。

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