明けて8歳となった重賞2勝馬のヴェルトライゼンデ(牡8、栗東・池江泰寿厩舎)が、日経新春杯(4歳上・GII・芝2200m)で復帰戦を迎える。
ヴェルトライゼンデは父ドリームジャーニー、母マンデラ、母の父Acatenangoの血統。母は03年の独G1・独オークスの3着馬。半兄のワールドプレミアは19年の菊花賞と21年の天皇賞(春)の覇者。同じくワールドエースは12年のきさらぎ賞、14年のマイラーズCと重賞を2勝している。
ここまで15戦4勝。デビュー2連勝を果たし、19年のホープフルSはコントレイルの2着。20年の牡馬クラシックでは皐月賞が8着、日本ダービーが3着、菊花賞が7着と、ここでもコントレイルの引き立て役に終わった。その後、屈腱炎による長期休養があったものの、1年4カ月ぶりだった22年の鳴尾記念で悲願の重賞初制覇。さらに23年の日経新春杯で2つ目のタイトルを獲得している。しかし、続く大阪杯で9着に敗れた後に屈腱炎を再発し、1年2カ月ぶりの復帰戦となった昨年のエプソムCは9着。その後、秋競馬を目指していたが、再び脚元に不安が出たため、ここまで休みが長引いていた。復帰戦の今回は仕上がり、そしてハンデが大きなカギとなりそうだ。
今年で72回目を迎える日経新春杯だが、8歳以上の馬の勝利は一度もない。度重なるケガを乗り越えた“苦労人”がここで復活を果たすとともに、レース史に新たな1ページを刻むことができるか。不屈の8歳馬の奮闘にエールを送りたい。