【写真】市ノ瀬加那、矢野奨吾、根本京里のインタビュー撮りおろしが満載!
■演じていて感じる“懐かしさ” 甘酸っぱい高校時代を思い出す『ハニーレモンソーダ』
――原作を読んで感じた魅力を教えてください。
根本:キラキラしているストーリーが魅力なのはもちろん、個人的にはその本筋よりも、周りのキャラクターのリアルな描写がステキだなと感じました。教室の端っこで繰り広げられるやり取りに「こういうことあったな〜」と懐かしい気持ちにさせられたり、楽しいだけじゃない経験もあったり、そういうことを思い出して、まさにタイトルの『ハニーレモンソーダ』通り、甘酸っぱい気持ちにさせられるなと思いました。
矢野:読んでいて懐かしい気持ちになったのは、僕も同じです。「あの時こうしておけば良かったな」「こういう行動をしておけば、変わっていたかもしれない」と、自分の高校時代を思い返すところがたくさんありました。主人公の羽花ちゃんが、僕ができなかったことに立ち向かっていく姿が描かれているからこそ、そう思ってしまったのだと思います。界の目線で読んでも、羽花ちゃんに引っ張られていく感覚がありました。
市ノ瀬:本当に、『ハニーレモンソーダ』というタイトルにピッタリの物語ですよね。青春がギュッと詰まっていて、主人公の羽花ちゃんがフォーカスされているのですが、それ以外のキャラクターたちの感情の動きも手に取るように伝わって来て、私の心にも刺さる作品でした。
――初の3人での座談会ということで、自分が演じたキャラクター以外の印象・アフレコで掛け合ってみての感想を聞かせてください。
矢野:市ノ瀬さんが演じた羽花ちゃんは、第一声から思い描いていた通りの羽花ちゃんそのものでした。儚さの中に力強さがあって、この一瞬を大事にして演じているのが伝わるお芝居でした。
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矢野:どの作品でも、第1話のアフレコって絶対に緊張するものなんですよ。みんなオーディションに受かってアフレコに参加しているけれど、それぞれどんなお芝居をするのかは把握できていないし、どんな化学反応が起こるかはやってみないとわからない。その中での第一声っていうのは、お芝居の方向性が決まるとても大事なもの。しかし、市ノ瀬さんの演じる羽花ちゃんが本当にイメージ通りだったから、「僕はこんな感じで行こう」とすぐに方向性を決められました。
根本:私も、加那ちゃんの羽花ちゃんのお芝居を受けて、あゆみを演じる上で「寄り添うことを大事にしよう」と決めました。
市ノ瀬:うわ〜、ありがたいお言葉です。でも、その寄り添い方が私の思い描く“あゆみ像”にピッタリだったから、私も「京里ちゃんがあゆみ役で良かった」と思いました。思ったことをストレートに言葉にするあゆみに、京里ちゃんの声質とお芝居がバッチリハマっていました。
矢野:根本さんご本人もあゆみっぽいよね。アフレコ現場でもすごく盛り上げてくれています。
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矢野:そうなんです。僕が高校生で同じクラスに羽花ちゃんがいたら、絶対好きになっていました(笑)。
――一番掛け合う機会が多い市ノ瀬さんは、矢野さんの演じる界にどのような印象を持ちましたか?
市ノ瀬:界は、羽花ちゃんをあえて突き放すような言い方をするんです。でも、そこにはしっかり愛情も含まれていて……そういったセリフの言い回しってとても難しいんですよ。矢野さんは、冷たい中にも羽花ちゃんを思っているとわかるお芝居をしていて、いつも「どうやってそんな表現ができるんだろう」と思いながら掛け合いさせてもらっています。
矢野:最初は、音響監督から「それは寄り添い過ぎている」とディレクションをもらうこともありました。今も、その塩梅を気にしながら演じています。
――本作は、誰もが経験したことのある高校生活を描いた物語。原作の印象で「懐かしい」というコメントもありましたが、役との共通点、または「こんなことあったな〜」と共通する経験があれば聞かせてください。
根本:先ほど矢野さんから「あゆみと似ている」と言われましたが、自分では共通点はあまりないと思っています。ですが、高校入学時にたまたま近くにいて話しかけた子が、初対面の人と話すのが苦手だったみたいで、卒業式に「あの時話しかけてくれて、本当に嬉しかった。ありがとう」と言ってくれました。あゆみを演じて、その時のことを思い出しましたね。
市ノ瀬:私は羽花ちゃんに共通点を感じることが多いです。私も人見知りで、人と接する時にどこまで踏み込んで良いのか距離感に悩むことがあって、共感しながらお芝居しています。ただ、羽花ちゃんはそんな自分を変えようと成長していくキャラクター。私はそんな行動力はないので(笑)、そこは見習わなければいけないという気持ちになりました。
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根本:(笑)。
矢野:あと、僕って優しいんですよ。
市ノ瀬:!? その発言は恥ずかしくないんですか(笑)?
矢野:(笑)。羽花ちゃんみたいな子がいたら、きっと手を差し伸べちゃうんです。界は、手の差し伸べ方が一見突き放しているように見えますよね。でも、その手にはちゃんと優しさもあって、「優しい」という共通点はあるものの、僕と界とでは形が違うなと思います。
■3人が高校時代に経験した青春キラキラエピソード
――タイトル『ハニーレモンソーダ』にちなみ、学生時代のキラキラした思い出話があったら聞かせてください。
矢野:高校3年生の時に、文化祭で友達と一緒にブレイクダンスを披露しました。大技を決めてかなり盛り上がったのですが、後日、それを見に来ていた先輩に、僕とお近づきになりたいということを言われました。
市ノ瀬&根本:うわ〜! 青春だ〜!
根本:やばい、すごいキュンキュンする!
市ノ瀬:その後に話すのが申し訳なくなるくらい、私にはキュンキュンエピソードがない(笑)。雨に打たれながら30分チャリを走らせて「びっくりドンキー」に行ったり、放課後に近くの公園で花火をしたり……思い返すと、高校時代はずっと楽しかったですね。
矢野:楽しそうだな〜(笑)。
根本:「THE青春!」というエピソードですね(笑)。
市ノ瀬:一番楽しかったのは、教室で水風船を割らないように投げ合ったこと。すごくスリリングでした(笑)。今もやろうと思えばできるけど、学生時代にしかできないノリだったな〜と。
根本:結局割れなかったんですか?
市ノ瀬:割れました。教室中ビチャビチャ(笑)。
矢野:だろうね(笑)!
根本:私は地元が茨城なのですが、午前で授業が終わる日に、よく遊園地好きの友達と一緒にディズニーランドに行っていました。
市ノ瀬:いいな〜! 関東圏ならではのエピソードですね。
矢野:しかも、制服ディズニーってことですよね?
根本:そうです! それこそ高校時代にしか体験できないことでしたね。
――貴重なエピソードをありがとうございます。最後に、放送を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
根本:羽花ちゃんと界のキラキラした恋愛模様が主軸となっていますが、コミカルなシーンもたくさん含まれていて、それも力を入れてアフレコしました。ふふっと笑えるシーンも見逃さず、ぜひ楽しんでください。
矢野:羽花ちゃんが持つエネルギーが本当に魅力的に描かれていて、僕も界と同じように羽花ちゃんからたくさん勇気をもらい、ポジティブな感情になっています。ぜひ皆さんも、羽花ちゃんからたくさんの思いを受け取ってください。
市ノ瀬:すでに1話の映像を見たのですが、アニメなのに、ドラマを見ているような感覚になりました。演出や映像がそうさせているのに加え、その世界観に溶け込んでいける雰囲気が漂う作品であることが魅力だと思います。以前、監督が「羽花や界だけじゃない、周りのクラスメイトの表現にも力を注いでいます」とコメントされていました。主軸となる2人はもちろん、他のキャラクターの視点に立っても楽しめる作品になっていますので、ぜひいろんな視点で楽しんでください。
(取材・文:米田果織 写真:吉野庫之介)
アニメ『ハニーレモンソーダ』は、フジテレビ「+Ultra」ほかにて毎週水曜24時55分放送。