三菱UFJ銀行の貸金庫から顧客の金塊を盗んだとして逮捕された元支店長代理の今村由香理容疑者(46)は、四半世紀にわたり銀行で働き、管理職に昇進。金銭に困っている様子を周囲に見せることはなかった。
関係者によると、今村容疑者は1999年、事務作業などをする「一般職」として入行。その後、面接などの行内選考を受け、「総合職」に昇格した。2020年4月に旧江古田支店に配属され、営業課長に就任。以降、練馬支店や玉川支店で支店長代理を務め、貸金庫の責任者となった。
職場ではギャンブルにはまっていたり、生活に困っていたりするうわさはなかった。管理職だったことなどを踏まえ、同行関係者は「行内で『問題がない』という評価を受けていたことになる」と説明。同行の半沢淳一頭取も昨年、問題発覚後の記者会見で「このようなことをする人間だったという評価は確認できていない」と話した。