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前広島県安芸高田市長で昨年7月の東京都知事選で次点となった石丸伸二氏(42)が1月15日、新政党を設立するとして都内で会見を開いた。しかし、冒頭から会場は異様な雰囲気に包まれることにーー。
「地域政党設立に関する記者会見を始めさせていただきます」とのアナウンスで、スタートした会見。ところが、石丸氏が冒頭で話し始めたのは「会場の変更について」の苦言だった。
石丸氏は当初、都庁記者クラブで会見を予定していたが、Xで13日に《中止になりました》と報告。その理由に《(都庁)記者クラブ宛に出した案内がネットに流出し、日時と場所が広く知られてしまったことが原因》をあげ、《記者クラブには「取材目的の希望者は出席を制限しない」と言われたため、誰が来るかわからない状況は種々のリスクが高いと判断しました》と説明した。
その後、石丸氏は日時はそのまま、会場を変更して会見を開催することに。こうした経緯から、石丸氏は冒頭から記者クラブ向けの案内が外部に流出したことに不快感を示したのだ。
石丸氏は「そこでまず、時事通信にお伺いするのですが、記者クラブ宛の案内の扱いはどのようになっているのでしょうか? どの範囲で共有されるというルールでしょうか。教えてください」と、幹事社の時事通信に質問。
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時事通信の担当者は「一般的にいただいた案内文は、メールで幹事社の方に送っていただいて、記者クラブに貼り出しをする。時間がタイトな時は、ルール化はされていませんが、幹事社から各社のキャップに電子メールで送付をして共有する形になっています」と説明。
しかし、石丸氏は今回ネット上に案内文がアップされたことを不服としており「その情報はどこまで共有されるべきものなんでしょうか? 加盟社以外にも出るものなんでしょうか?」と追求。
さらに、「受け取った情報を社外に勝手に出していいルールがあるんですか!?」と石丸氏は語気を強め、「ないでしょ! 普通ないと思いますよ。上場企業はもちろんですし、上場してない企業でも昨今コンプライアンス厳しいですから。これ、結構な重大事故じゃないですか!? なぜ誰も問題視しないんですか?」と激詰め。会場は静まり返った。
続けて「過失があったのは明らかです」とし、「しかしながら、記者クラブ、幹事社から、今この瞬間まで、ひと言も謝罪はありませんでした。まずその姿勢が”驕っとる”と、私は糾弾しておきます」と記者らを非難した。
さらに「これは、メディアと政治、そういう話じゃないです。ビジネスをやる上で、職業人として当たり前の所作を、今、確認しているに過ぎません。この意識がないから、メディアは今”ダメだ”と言われてるんじゃないんですか? 当たり前のことが当たり前にできない組織、会社。未来はないと思います」と厳しく”ダメ出し”。
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「この件はこれで結構ですが、以後、しっかりと改めていただきたいと思います。まずはルール化。情報の扱い。情報がいかに大事かというのは、私なんぞに言われなくても皆さんの方がよくよくご存じでらっしゃるはずですよね?」と情報管理の徹底を要求。「それで飯食ってるんだから。にもかかわらず、ぞんざいな扱いをするというのは、プロ失格です!」と述べた。
また、石丸氏は都庁記者クラブの会見が加盟社だけではなく、取材目的の希望者には基本的に誰にでもオープンに開かれていることにも疑問を提示。誰でも入れる会見だと”自称ジャーナリスト”が押し寄せる懸念があるといい、そうなれば限りあるスペースや時間を奪われ「記者クラブの皆さんが妨害工作を受けますよ?」と指摘し、線引きがあったほうがいいと提案した。
最後に”情報管理の徹底”と”記者クラブ利用のルール”を示すよう求め、「でなければ二度と、都庁の記者クラブは使いません。使えません、危なくて」と主張し、議題は本題へと移った。
新党設立の会見でありながら、冒頭の約10分を記者会見のあり方についての疑問提示に費やすという、異例の事態となった。
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