【写真】新・帝国劇場の設計を担当する小堀哲夫氏
登壇早々、「59年という長きにわたってのご愛顧、心よりありがたく御礼を申し上げます。誠にありがとうございました」と来場者、そしてステージに出演してきたキャスト、携わってきたスタッフに感謝を述べた池田氏。新・帝国劇場に関しては「これまで我々の根底を流れておりました芸術性と大衆性の融合という創作の精神を受け継ぎ、“オーセンティック=本物であること”を旨として、新しいステージに向かって歩みを進めてまいります。もちろんのことですが、見やすく、そして時代の要請に応えた最新技術を備え、使いやすいものに。すなわち、この劇場に関わる全ての皆さまにとって心地良い帝劇であることを目指して作り上げてまいります」とこれまでの精神は変えずに行くと明かす一方、「劇場は街を作ります。新しい劇場によって、この街にまた大きな変革がもたらされることを期待しております」と変化への期待も語った。
そして、設計者に小堀氏を選定した理由についても。実績、デザイン性、将来性を勘案し、数名の建築家を指名。提案を募り作品を提出してもらったそうで、その中でも小堀氏の作品は「帝劇の歴史とその意義に関して、大変深く研究されていました。皇居お濠に立つこのロケーションを生かして、自然光を取り入れ、四季の移ろいをビビットに感じることができる、大変美しい提案でした」と魅力に感じた点を語る。それに加え、「作品にかける熱意と、そしてお人柄に関しても、深く魅力を感じました」と明かした。
そんな池田氏に呼び込まれ、登場した小堀氏。日本建築学会賞、JIA日本建築大賞、Dedalo Minosse国際建築賞特別賞、Architecture Master prizeなど、国内外において多数の受賞経験がある建築家だ。「ROKI Global Innovation Center -ROGIC-」「NICCA INNOVATION CENTER」「光風湯圃べにや」などを代表作に持つ。
「この帝国劇場は、時代を経ても色褪せない感動を持っています。我が国において最も重要な建築である帝国劇場の設計に携われたことを大変光栄に思っております」と喜びを述べた池田氏は、新たな帝国劇場のテーマを「THE VEIL」と発表。「美しさ、華やかさ、神聖性などが幾重にまとっていることをイメージしました」と言い、「ベールをくぐるように、エントランスから客席、舞台へと向かう中で、さまざまな空間体験を新しい帝国劇場で実現したいと思っています」と目指すべき形についても話していた。
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新・帝国劇場は2030年開館予定。