きょうまでにキリンビールやサッポロビールが今年の事業方針を発表しました。
いよいよ来年の秋に迫ったビール類の税率一本化を前に、各社が力を注いでいるのは「従来のビール」です。
キリンビール 堀口英樹 社長
「25年から27年、酒税改正を挟んだ3年間のこの時期は大変重要。イノベーションにチャレンジをしてまいりたい」
キリンビールは去年17年ぶりに発売したビールの新ブランド「晴れ風」を今年4月から飲食店へ投入すると発表しました。
家庭用の販売が好調なことから、業務用の瓶と小容量サーバーを合わせて全国1万5000店に展開する予定です。
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また、主力ブランド「一番搾り」から通年品としては5年ぶりとなる新商品を発売。「苦くなくて飲みやすい」味とし、ビールを普段飲まない層をターゲットにする考えです。
一方、去年の「ビール」売り上げがおととしと比べて7%増のサッポロビールは、銘柄などにこだわりを持たない「無関心層」をターゲットにします。
サッポロビール 野瀬裕之 社長
「狭義のビール市場が注目されている中において、我々が有している個性的なブランド、歴史のあるブランドをさらに磨いて、当社の強みにさらに展開していくことにチャレンジをしていきたい」
主力のブランド「黒ラベル」や「エビス」の世界観が体験できるイベントなどを強化し、新たに200万人規模の顧客獲得を目指すとしました。
今年の「ビール類」の販売数量は、去年と比べ2%減の98%とする一方で、従来の「ビール」は4%増の104%を見込んでいます。
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各社がこぞって「ビール」に力を注ぐ背景にあるのは、来年10月の酒税改正で「発泡酒」「第3のビール」と「従来のビール」の税率が一本化されることです。
各社は今後、ますます消費者の需要が「ビール」に流れるとみて、営業やプロモーションを強化する方針です。