限定公開( 5 )
「経営のプロ」であるコンサルタント業で、倒産が相次いでいる。東京商工リサーチが調査結果を発表し、2024年は154件で、過去最多だった2023年の143件を上回った。コンサル業界は少ない開業資金でスタートできるなど参入障壁が低い一方、競争が進んで実績と特色を打ち出せない企業は今後も淘汰される可能性が高い。
2024年にあった経営コンサル企業の倒産で負債総額が最も多かったのは、5月に破産開始決定を受けた北浜グローバル経営(大阪市)。中小企業向けの補助金獲得支援などを手がけていたが、人件費などの経費負担が過大となり資金不足に陥り、負債総額は約20億5300万円となった。
倒産を原因別に見ると、販売不振などを含む「不況型倒産」が102件で最多だった。事業再生やDX支援、M&Aなど、顧客ニーズの高度化に伴って専門性が必要になっており、経営環境の変化に対応できない企業で倒産が増加した。
形態別では「破産」が147件で最多。「特別清算」と合わせた消滅型の倒産が152件だった。再建型の民事再生は2件にとどまり、信用を棄損(きそん)したコンサル会社の再建は難しいことが見てとれる。
|
|
資本金別では、1億円未満の中小企業が152件で大多数を占めた。従業員数別でも5人以下の小規模事業者が143件で、中小コンサルタントが苦しむ実態が浮かび上がる。同業種の業績は、コンサルタント自身の経験や人脈などに左右されるなど、属人的な性質が強い。今後はいかに優秀な人材を確保し、顧客に価値を提供できるかが問われる。
日本産業分類「経営コンサルタント業」の倒産を、2005年から2024年まで集計・分析した。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 ITmedia Inc. All rights reserved. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。