“ぶっ飛んだ弁当屋”として再注目のドンキ。「皮だけ」「エビだけ」個性的な弁当の中で“一番の問題作”は

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2025年01月17日 08:50  女子SPA!

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beeboys - stock.adobe.com
 実質賃金が一向に上がらず、コンビニ弁当を“高級料理”と考える人は増えている。とはいえ、仕事や育児に追われて自炊する時間がなく、出来合いの弁当が必要不可欠な人は多い。コスパに優れた弁当が求められる昨今、「ドン・キホーテ」が徐々に“お弁当屋さん”として注目されている。

 ドン・キホーテは2023年11月に「みんなの75点より、誰かの120点」を合言葉に、これまでにない弁当・総菜の新ブランド「偏愛めし」を開始。2024年10月時点では売上金額約12億円を突破するなど、開始からわずか1年ではあるが定着しつつある。

「偏愛めし」の特徴と言えば、インパクト十分なビジュアルとコスパの良さだ。従業員の偏愛という名のアイデアによって誕生しており、好奇心をそそるもの、どこか不安感を与えるものなどインパクトのある商品ばかり。今回は4品の味やコスパなどはどうなっているのかを本音レビューしたい。

◆ご飯が異常に進む「フライドチキンの皮だけ弁当」

 まずは「フライドチキンは皮!肉とスパイスの旨味が凝縮された皮が旨い!フライドチキンの美味しいところだけ集めた皮だけ弁当」こと「フライドチキンの皮だけ弁当」(538円/税込※以下同)。

 商品名でみなまで言ってしまっているため説明不要ではあるが、フライドチキンの皮の部分とご飯だけのシンプルな弁当だ。単月売り上げ1位を獲得したことがあり、「偏愛めし」のアイコン的な商品と言える。

 実際に皮を食べると、弾力があるものもあれば、カリっとしたものもあり食感を楽しめる。味については、とにかく脂っこくてしょっぱい。とりわけ、弾力のある皮を食べると油や塩分が口の中に広がっていき、口内をリフレッシュさせたい衝動にかられ、ご飯がとても進む。

 筆者の偏愛的にはフライドチキンの皮と言えば、ケンタッキーの「オリジナルチキン」やファミリーマートの「ファミチキ」が挙げられる。それらと比較すると「フライドチキンの皮だけ弁当」の皮はコクが少なく、油や塩分はあるもののサッパリした印象。このままの味でいくのか、改良していくのかをチェックしたくなる。

◆みんなの夢を叶える丼ぶり「エビだらけチリ丼」

 次は「どこを食べてもエビ!エビ!エビ!約13尾もぶっこんでチリソースにまでエビエキス!最後の一口までエビしか感じないエビだらけチリ丼」こと「エビだらけチリ丼」(538円)。「エビチリに野菜とかいらねーわ!」と思ったことのある人は一定数いるだろう。筆者もその1人だ。中央にまぶされたネギを除けば具材はエビしか使用していない夢のような商品だ。

 エビを数えてみると13尾入っており、“看板に偽りなし”という部分は好感が持てる。実際に食べてみるとこれまた商品名通り、どこにスプーンを通してもエビとエンカウントする。エビも大小さまざまではあるが、どれもプリっとしていて美味しい。また、ご飯の量がエビチリよりも多く感じたが、チリソースがピリ辛のため、むしろ適量だった。

 とはいえ、やはりエビばかりでは飽きてしまい、「エビチリに野菜とかいらねーわ!」と思っていた自分を恥じた。やはりイカやタマネギなどが欲しくなったため、エビに対する愛情の低さを感じる。ただ、これだけ一度にたくさんのエビを食べる機会を与えてくれたため、魅力的な商品であることには変わりない。

◆名作アニメの“あのパスタ”「ミートボールゴロっとパスタ」

 3つ目は「映画に出てきそうなパスタが食べたい!ロマンの分だけ肉を丸めたミートボールゴロっとパスタ」こと「ミートボールゴロっとパスタ」(538円)。映画『わんわん物語』の“あのシーン”をはじめ、様々な映画のワンシーンを彩ってきたパスタがついに誕生した。

 ミートボールは1個1個がとても大きく、まん丸としており、まさしく映画で見たやつ。実際に食べてみると肉汁がジュワジュワ出るタイプではなく、口溶け食感というよりは弾力が強く噛み応えがあった。ミートソースはトマトトマトしておらず、サッパリとした味わい。この商品本来のポテンシャルなのか、それともレンジで温める時間が良かったのか、麺はアルデンテのような固さでとても良い。

 先述した通り、味はサッパリしているため、どことなく寂しさを覚えた。ブラックペッパーやチーズをトッピングすると、味にコクや深みを与えられ、違った美味しさを見つけられるかもしれない。

◆ただの炭水化物「はみだしすぎィな お好み焼きおにぎり」

 最後は個人的に4つの中で一番の問題作「“具がない部分” が許せないおにぎり! はみだしすぎィなお好み焼きおにぎり(炭水化物すぎィ)」こと「はみだしすぎィな お好み焼きおにぎり」(322円)。炭水化物を炭水化物で包むだけでは飽き足らず、包まれている炭水化物がはみ出てしまうほどのボリューム。おかげさまで1個で429カロリーというパワーヒッターだ。「企画会議に小学生が参加したのか?」と思わせるほどのワンパクなメニューである。

 ソフトボールくらいの大きさをしており、加えてお好み焼きがはみ出ているため、食べやすいとは言い難い。ただ、「頬に米粒やら食べかすをつけることなど厭わない」と思わせ、ついつい頬張りたくなる衝動にかられる見た目をしている。味はキャベツのシャキシャキ感や豚肉の甘味など、お好み焼きらしさを感じられる。

 お好み焼きとソースの味ばかりが感じられ、米の存在感はあまりない。ただ、お好み焼きのコッテリ感を中和しており、食べ進めやすくしている。また、食べているとズシンズシンと胃に炭水化物が収納されていく感覚を味わうことも可能。「おにぎり1個に300円は馬鹿げている」と思っていたが、これ1個で満腹感を得られた。

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 「偏愛めし」は基本的にはワンコイン以下で買え、ボリュームも悪くないため、コスパ面は優れている。それ以上に、誰かと一緒に昼食をとる時の話題作りにもなりそうなため、味やコスパだけではない魅力も含んでいるように思う。自分の“フェチ”具合をチェックするためにも今度挑戦してみてはどうだろうか。

<写真・文/望月悠木>

【望月悠木】
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki

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