学生スポーツにおいて独自の指導法で実績を残している名監督による公演会(スポナビキャリアサポート推進室主催)が、大阪・梅田のスポーツフィールド大阪オフィスで開かれた。
和歌山大硬式野球部の大原弘監督、岡山理科大サッカー部の秦敬治監督、箕面自由学園チアリーダー部の野田一江監督が出席。オンラインも含め、約60人が独特の指導法を学んだ。
和歌山大は国公立大で唯一、昨年の全日本大学野球選手権に2年ぶり出場。17年には全国8強入りを果たし、21、22年にも「ノーサイン野球」で初戦を突破している。大原監督は「野球では先発メンバー発表と第1打席に入る時に名前と出身校がアナウンスされる。野球を続けている限りは母校を背負い、誇りにしてやっていくんです」などと語り、たくさんのエピソードを紹介した。
育てた選手の1人に、現在はJR西日本で副将を務める安田圭吾捕手がいる。駒大苫小牧高時代は「公式戦に出たことがない。いわゆる“壁”と呼ばれる選手で、ブルペンでずっとボールを受けていた」という。
「上手ではなかったが、黙々と練習をする。『チームを引っ張る選手になりたい』と言うのでキャプテンを任せたら、神宮で活躍をしてJR西日本に誘われたんです」
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創部101年目を迎える和歌山大には今年の春、始めて女子選手が入部する。
岡山理科大で学長補佐を兼任する秦監督は22年に就任すると、中国大学リーグ2部で最下位のサッカー部を再建。昨年、無敗(14勝3分け)で優勝し1部に初昇格した。西南学院大、愛媛大を全国へ導いた経験があり、その指導は異色でもある。
「next football」を掲げ、平日の練習は水と木の2日だけ。日本代表の森保一監督が広島を率いてリーグ連覇を達成した時に分析担当だった久永啓氏を招聘(しょうへい)。タブレットでデータを駆使して効率的に強化を進めつつ、“有給休暇制度”を導入して年に5日は自由に休める日を与えている。
「教えるのではなく気づかせる。大きな柱だけを伝えて、後は選手に気づいてもらう」
「うちには一流の選手はいない。それはすごくラッキーなことです。トップを知っていれば『今日は勝てない』と思ってしまうが、知らなければ『次は勝てるかも知れない』となる。脳はみな一緒。差が出るのは捉え方の差なんです」
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箕面自由学園の野田監督はクラリネット奏者からチアリーディングの指導者となり、創部34年で41度の全国制覇を達成。ただ強くなるだけでなく、仲間や支えてくれる人たちを大切にすることを教え続けている。
秦監督が「うちは土日の試合を入れても活動は週4日」と話すと、野田監督は「うちは徹底的に(練習を)やっているアナログなチームなんですよ」と言って会場を笑わせた。
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