モンブラン用、グラタン用、ハーゲンダッツ用…スプーン作家・宮薗なつみ“ものづくり”へのこだわり「自分自身も楽しく作るということを大切に」

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2025年01月18日 06:50  TOKYO FM +

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モンブラン用、グラタン用、ハーゲンダッツ用…スプーン作家・宮薗なつみ“ものづくり”へのこだわり「自分自身も楽しく作るということを大切に」
放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00〜15:50)。1月12日(日)の放送は、スプーン作家の宮薗なつみ(みやぞの・なつみ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)パーソナリティの小山薫堂、宮薗なつみさん、宇賀なつみ



◆サンポス新コーナー「世界のなっちゃん」が始動

今回、「世界のなっちゃん」なる新コーナーがスタート。このコーナーでは、「さまざまな『なつみさん』をお迎えして、『なつみ』という名前をつけるといかにいい大人になるかということを宣伝していくコーナーです(笑)」と説明する宇賀。これに思わず小山は「すごいコーナーですね(笑)」と笑いがこぼれます。

そんな「世界のなっちゃん」の記念すべき初回ゲストとして登場したのは、スプーン作家の宮薗さん。スタジオのテーブルには、これまで宮薗さんが手作りしてきたスプーンの数々がズラリと並びます。

自身が手がけたスプーンを前に、「(材料に)木と塗料は漆を使っているんですけれども、色が濃く変わっている部分が漆ですね。この持ち手の部分はオイルの塗装と、2トーンに分かれているのが私のスプーンの特徴かなと思います。木のスプーンだけを作って生きています」と宮薗さん。

宇賀から「そもそもどうしてスプーン作家になろうと思ったんですか?」との質問に、宮薗さんは「もともとスプーン作家になるぞと思ってスプーン作家になったわけではないんです」と答えます。

大学に進学し、卒業後に普通に就職をしたものの、そこからものづくりの道へと傾倒していったという宮薗さん。

「スプーン作家になろうと思って作家の道を決めたときに、初めて展示会の機会をいただいて。木のスプーンを出そうと思ったんですけれども、そのときに『誰もが使いやすい究極の1本のデザインを作ればいいんじゃないか』という発想で、自分が持ちやすいと思ったスプーンを出したんです。ところが、その展示会でお客さまから『このスプーン持ちにくいわね』と言われてしまったんです(苦笑)。そのときに、“スプーンって(人によって)持ち方があるんだ”って初めて知ることになるんですけども、そうなったときに、究極の1本なんてデザインは存在しなくて、その人のためのスプーンだったり、器のためのスプーンだったり、食べ物のためのスプーンを作ろうと決めて、スプーンにどんどん自分がハマっていきました」と駆け出し時代を振り返ります。

スプーン作家・宮薗さんの1日は、朝起きたときに“今日はどの木でスプーンを作ろうか”と思いをめぐらせるところから始まります。そして、“この木で作るぞ”と決めたら、まずその木の周りを切る作業から開始。次に横のラインを切ったら、なかを彫る作業へ。彫刻刀で1本ずつ丁寧に彫ったら、やすりがけをして、漆を塗って……という工程だそう。

「すべて自分の手で1本1本彫っている」と話す宮薗さん手作りのスプーンを手にして、宇賀は「すごい! 触っているだけで気持ちいい! スプーンとして使わなくても(手にしているだけで)心が落ち着くというか、癒しグッズとしてもよくないですか?」と驚きます。

小山も「赤ちゃんにガラガラを持たせるみたいな感じで、スプーンを持たせるとよさそうですね」とうなずくと、宮薗さんは「そうなんです。結構、ベビースプーンを歯固め代わりに使ってもらったりしています」と話します。


宮薗なつみさん製作の手作りスプーンたち



◆ものづくりのモットーは「自分自身も楽しく作る」

宮薗さんが手がけるスプーンには個性的な形をしたスプーンも多々あり、この日はどのスプーンがどの用途のものなのか? というクイズを楽しむ場面も。

例えば、材料に栗の木を用いて作ったモンブラン用のスプーンは、すくう部分が長くなっているため、高さのあるスイーツを食べるときに最適。モンブランだけでなく、「コンビニのカップスイーツやティラミスなど、層になっているものを上から下まで全部食べられます」と解説します。

ほかにも、丼物を食べるときにご飯粒を残すことなく最後の1粒まできれいにすくえるスプーン、ハーゲンダッツのミニカップのアイスクリームを食べるとき用のスプーン、グラタンを食べるときに端のチーズまできれいにこそげ取れるグラタン用のスプーンなど、宮薗さんが手がけるスプーンは実にさまざま。

宮薗さんによると、自身が手がけたスプーンの価格帯は「大体3,000円台から8,000円台の間ですね。お直しも承っているので、(一生ものとして)長く使っていただけるようにとの思いも込めて作っています」と胸を張ります。

スプーンを作るうえで、「自分自身も楽しく作るということを大切にしています」と宮薗さん。「食事を楽しんでいただきたいと思いながらスプーンを作っているので、自分が苦しんで作ってはいけないと思っています。楽しみながら作れるようにといつも思っています」と思いを語ります。

その言葉に、小山は「スプーン1本あるだけで、あるいはスプーンの気持ちになって使うだけで、食べ物への愛情が深まりますよね」と感嘆。さまざまな用途のスプーンを手がける宮薗さんのアイデアの源はというと「(食事中に)自分が不便に感じたときに『これをどうやったらきれいに食べられるんだろう?』とか『おいしく食べられるんだろう?』とか……だから、結構食べていますね(笑)」と笑顔をのぞかせます。

宮薗さんのものづくりへの思いに触れ、宇賀は「愛情を持って作っていただいているからこそ、愛情を持って使えるじゃないですか。長く使えるし、お直しもしていただけるなんて。ご飯粒1つも残さない、お皿についたチーズもちゃんと食べることができるとか、全部つながっていきますね」と感心しきりでした。

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1月12日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年1月20日(月) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00〜15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/

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