LINEヤフー社長に聞く「2024年はどんな1年だった?」 セキュリティ対策の進捗は?

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2025年01月18日 15:21  ITmedia ビジネスオンライン

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LINEヤフーの出澤剛社長(撮影:河嶌太郎)

 2023年10月にLINEとヤフー、Zホールディングス、Z Entertainment、Zデータが合併し、LINEヤフーが発足してから1年以上がたった。同社が掲げているのが収益力とプロダクト創出力の向上だ。プロダクト総出力を高めるべくカンパニー制を採用。機動力と柔軟性を向上させた結果、合併後1年で100件以上の新サービス・新機能、改善機能をリリースした。


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 業績も好調だ。2025年3月期のEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)は前年度比8.5〜10.9%増の4500億〜4600億円になる見通しで、従来予想から200億円上方修正した。LINE公式アカウントなどの広告事業に加え、主に金融サービスで構成される戦略事業では全ての事業が順調に成長している。特に子会社のPayPay(ペイペイ)が好調に推移している状況だ。


 LINEヤフーは今後、好調なLINE公式アカウントやLINEミニアプリなどを充実させ、企業のDXやCX(カスタマーエクスペリエンス)向上を支援することによってマネタイズ強化に取り組む。LINEギフトやLINEのリニューアルによって取扱高も拡大していく方針だ。PayPayとのサービス連携により金融事業の成長も加速していく。


 一方で2023年11月にはLINEアプリの情報漏えいもあった。2024年度のセキュリティ対策の費用は期初見込みの約150億円の範囲内で着地する見通しだ。現在の進捗はどの程度まで進んでいるのか? LINEヤフーの出澤剛社長CEOに聞いた。


●情報漏えい後にセキュリティガバナンス強化 進捗は?


――2024年で印象に残っている出来事はありますか。


 2023年10月にLINEとヤフーが統合してから1年目という節目でもあり、経営陣を含めてかなり深いディスカッションを進めてきました。その中で、チームとしてワンチームになっていくプロセスを感慨深く実感した1年になりました。


――2024年はLINEヤフーにとって、どんな年だったのでしょうか。


 いろいろなチャレンジがありました。まず業績面では、第2四半期の連結決算でEBITDAを上方修正しました。社員の皆が頑張ってくれたおかげで、業績的には良い状況でした。


 サービスにおいても、統合をしていろいろな機動力が高まった面があり、多くのサービスのリニューアルや新しいサービスの作成、生成AIの活用がかなり進んだ1年だったと思います。


 一方で2023年度には情報漏えいがあり、セキュリティガバナンスの強化に取り組んできた1年になりました。いろいろとやるべきことが多かった1年だったと思います。統合から1年がたち、次のステージに一段とレベルアップするタイミングでした。12月19日には越境EC事業者のBEENOSのTOB(株式公開買付け)も発表しました。今後もそういった新しい動きを増やしていきたいと思っています。


――セキュリティガバナンスの進捗はいかがですか。


 2024年4月に、総務省に計画などの報告をして、一つの焦点として経営体制も含めたガバナンス強化を掲げています。社内ではセキュリティガバナンス委員会を私も入る形で頻度高く開催し、再発防止策の推進や、新しく起きた課題への対応を高い優先度で取り組んできました。セキュリティガバナンスを危急の最優先事項にして進めています。


 グループ全体では、LINEヤフーのグループ子会社の各CISO(最高情報セキュリティ責任者)と合同で、全般的なセキュリティ向上施策に取り組んでいます。別のカテゴリーでも、さまざまなセキュリティの新しい取り組みに日々取り組んでいます。


 また、3カ月に1回、社内でセキュリティに特化した集会を開いて、現在の施策の説明や、意見交換をすることによって対策を強化しています。他にはセキュリティレベルそのものの向上や、開発のレベルアップを主に進めてきています。


(アイティメディア今野大一)



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