工藤静香はSNSのない時代にテレビで“ぬか床匂わせ”、唐田えりか・狩野舞子らを匂わせに走らせたもの

0

2025年01月18日 17:10  週刊女性PRIME

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

週刊女性PRIME

左から狩野舞子、山本舞香、唐田えりか

「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。有名人の言動を鋭く分析するライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。

第108回 狩野舞子

 “匂わせ”をする女性は同性ウケが悪いというのはわかっているはずなのに、それでも匂わせをする女性タレントがあとを絶たないのは、なぜでしょうか。

「陽の匂わせ」と「陰の匂わせ」

 “匂わせ”とは何かをまず定義しますと、言葉ではなくモノや態度で「このオトコは私のものである」と主張すること。一種のマーキングと言えるかもしれません。ただし、そこには“陽の匂わせ”と“陰の匂わせ”があるように思います。

 “匂わせ”という言葉は、SNSが私たちの生活に定着してから生まれた言葉ですが、SNSのなかった時代にも“匂わせもどき”の行動で話題になった女性芸能人がいたことをご存じでしょうか。“元祖匂わせの女王”と言えば、工藤静香さんです。

 木村拓哉さんとの交際が明らかになってから、工藤さんがダウンタウンが司会の番組『HEY!HEY!HEY!』(フジテレビ系)にお手製のぬか床を持って出演したことがありました。なぜ突然、歌番組にぬか床を持ってきたのだろうという唐突感は否めなかったのですが、木村さんのファンである友人によると、木村さんはおばあちゃんの作るような和食が好みらしく、自分はそれを作れる古風なオンナなのよ、これでキムタクをゲットしたのよというアピールではないかと勘ぐっていました。

 少し悪くとりすぎな気もしますが、木村さんが好きと言ったものを工藤さんが披露するという形が何度も続いたことで、さすがにこれは……と女性視聴者がシラけていった記憶があります。

 めでたく結婚が決まり、工藤さんが、報道陣の前に姿を現したことがあったのですが、その際に体格に合わない大きめのジャンパーを着ており、ネットが「あれ、キムタクの服じゃね?」とザワっとしたこともあります。もちろん、工藤さんが単にオーバーサイズのジャンパーを好んで着ていた可能性も否めないのですが、この「気のせいかもしれないけど、でもやっぱり偶然とは思えない」というのが匂わせの王道であり、結婚が決まったから誤解を招くような行動はやめようとならないあたりに、工藤さんのメンタルの強さを感じるのです。これが、陽の匂わせです。

 それに対し、陰の匂わせと言えば、過ぎたことを蒸し返して悪いのですが、女優・唐田えりかさんを思い浮かべてしまうのです。俳優・東出昌大さんと不倫中、東出さんに似たイラストとのキス写真をアップしたり、2020年1月11日放送の『ノンストップ!』(フジテレビ系)では、「撮休があっても、東出さんが『本読みしよう』とおっしゃってくださったので、ずっと一緒にいましたね」と自分ではなく、むこうの希望で一緒に時を過ごしたことをアピールしています。

 この匂わせは不安の裏返しだったのではないでしょうか。東出さんの当時の妻は、女優・杏さん。朝ドラの主役を務めるなど、好感度の高い人気女優であり、お父さんは国際派俳優・渡辺謙さんという、日本を代表する芸能一家と言えるでしょう。その一員であることは東出さんにとってプラスしかないはず。

 東出さんがどんなつもりで唐田さんと付き合っていたのかはわかりませんが、唐田さんとの不倫中に、杏さんとの間にお子さんが生まれています。2020年1月26日放送『サンデージャポン』(TBS系)に出演したタレント・藤田ニコルさんは2人の交際について、「(筆者注:3年続いたからといっても)本気じゃないと思います。遊びだと思います。杏さんがそういう状況(筆者注:子どもがいる)の中で、離婚することは絶対ないじゃないですか?」と冷静にコメントしていましたが、おそらく大人100人に質問すれば、99人が同じ答えを返すでしょうし、もしかしたら、唐田さん自身もわかっていたのかもしれません。

 しかし、東出さんを信じたい、もしくは自分は愛されているんだと思いたい気持ちもあって、それが彼女を匂わせに駆り立てたのだとしたら、こんな悲しいことはないでしょう。なぜなら、唐田さんは不倫バレしたうえに、先輩を挑発するような匂わせをする性悪というイメージがついてしまったからです。

山本舞香の突然の“ブッコミ”

 オンナを陽の匂わせに駆り立てるのは「このオトコは私のもの」という支配欲求や所有欲、もしくはマウント気質であり、陰の匂わせのベースにあるのは不安。こう考えるなら、どちらにしても女性ウケしないキャラのように思えるので、匂わせはしないほうがよい……と言いたいところですが、私が思うに今後も匂わせはなくなりませんし、むしろ今後もっと激しくなるのではないかとすら思っているのです。

 昨年結婚したロックバンド『MY FIRST STORY』のボーカル・HIROさんと女優・山本舞香さん。ビッグカップルだけにたくさんの祝福の声が上がりましたが、一部では「SNSでの匂わせがすごかった」という声もあったのでした。

 たとえば、HIROさんが大阪のフェスに参加した2日前、HIROさんと山本さんが来店したことを、焼き鳥屋さんの公式アカウントが投稿しています。この他にも、山本さんがしていた指輪と、YouTubeチャンネルに出演していた際にHIROさんがつけていたそれが酷似(つまり、ペア)ではないかなど、匂わせがなされていたそうなのです。

 しかし、HIROさんは『文春オンライン』に交際と同棲が報じられた後、自身のYouTubeチャンネルで「俺らがずっとインスタとかで自由に好き勝手やってたのは『気づけ!』って意味だった、文春に」と発言しています。つまり、結婚するつもりで交際していたからこそ、あえて匂わせてタイミングを待っていたということでしょう。

 SNSでの匂わせより、私が驚いたのは2022年1月3日放送『しくじり先生! 俺みたいになるな』(テレビ朝日系)に出演した山本さんのオープンさなのでした。「頑固なのに優柔不断な人は周りにいますか?」と聞かれた山本さんは「自分がそうかもしれない」と答えたあとで、隣に座るHIROさんに「ね?」と確認したのでした。

 HIROさんは「えっ?」と驚いていましたが、「今、初めましてみたいな感じなんですけど、仲いいんですよ」と自分から明かしており、HIROさんは狼狽しているように私には見えました。

 当時の二人がどのような関係だったかはわかりませんが、テレビで自分から「私たち、仲がいい」とアピールする芸能人をあまり見たことがなかったことから、とても驚いたことを覚えています。

女性を“匂わせ”に走らせる根本原因

 山本舞香さんだけに限らず、今後は女性が自分から関係を積極的に明かしていくというのは、スタンダード化するのではないかと思うのです。たとえば、先日SNSを賑わせた元バレーボール日本代表の狩野舞子さんもその一人です。

 WEST.の桐山照史さんと結婚を発表しましたが、狩野さんと言えば、桐山さんのイメージカラー・オレンジの服を着たり、桐山さんが大阪の実家に帰省したのと同じ日に、大阪にいることを明かすなど匂わせが話題となっていました。

「結婚はタイミング」という言葉があるとおり、カップルが結婚を決めるまで、そして実際に結婚するためには、いいタイミングを待たなければなりません。ましてや、芸能人の場合、仕事関係者など四方八方丸く収めて同意を得ないといけないでしょうから、一般人よりもタイミング待ちの時間がかかることでしょう。これまでは「結婚とは、そういうもの」とされてきましたが、SNSの普及によって情報の伝達は格段に早くなっており、若い世代を中心に現代人は「待てない」体質になっていると思います。

 しかし、恋愛や結婚に関しては男性の都合に合わせて待ち続けなくてはならないことに、納得のいかない女性もいることでしょう。特に不倫など人に言えない恋愛をしている人、交際期間が長いのに結婚の話が出ないとか、30代後半の女性で、自分の人生設計をはっきりさせたい女性にとっては、匂わせをすれば「私はこの人と交際しています」と外堀を埋めることにつながります。何より、男性側の本心を“時短”で知ることができるのが、匂わせのメリットではないでしょうか。

 もし、男性側がまったく結婚を考えていないとか、他にも交際している女性がいる場合は、匂わせされたらたまったものではないでしょうから、揉めるでしょうし、場合によっては破局につながるかもしれません。かなりリスキーな技ですが、相手の本気具合を知れるという意味では、匂わせほど有効な手段はないとも言えるのです。

 匂わせをする女性が知りたいのは、相手の本心。男性側の煮え切らない態度が、女性を匂わせに走らせるのかもしれません。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」

    前日のランキングへ

    ニュース設定