ロッテのドラフト6位・立松由宇(日本生命)は、新人合同自主トレの練習を初日から見ていると、黙々と練習に取り組み、とにかく落ち着いてプレーしている印象を受ける。
「基本、陰キャなんですよね」と冗談を言いながらも、「周りを鼓舞するタイプではなかったです。元気出す時は出すんですけど、基本的に感情の上下はない方なのかなと。日本生命でも言われていたのでと、自己分析しています」と明かした。
◆ 複数のポジションを守る
守備では日本生命時代、石伊雄太(中日)が入ってくるまで捕手を務めていたが、直近2年は内野手をメインにプレーしていた。プロでも内野手登録ではあるが、新人合同自主トレではキャッチボールの際、キャッチャーミットで行い、この日ドラフト3位・一條力真(東洋大)がブルペンで立ち投げを行った際もキャッチャーを務めた。
入寮前に捕手、内野手、一塁、外野手用のグローブを4つ作り、新人合同自主トレが始まる前には、「内野、サード、ファースト、キャッチャー」の練習を行い、さらに外野も練習してきたとのこと。新人合同自主トレの練習を見ていると、キャッチボールでは捕手用、ノックでは内野手用のグローブを使っている。
ポジションにこだわりはなく、与えられたチャンス、ポジションで結果を残して、そこを自分のポジションにしていきたい考えを現時点では持っている。
◆ 打撃スタイルは変えずに
打撃では、新入団会見の取材で「キャッチャーやっていた時はホームランばかり狙っていて、ある程度ホームランは出たんですけど、社会人野球は一発勝負なので、自分の成績よりかいかに自己犠牲をしてトーナメントで勝ち上がっていくかだと思っています。繋ぐ方向に3年目、4年目、ファーストになってから考え始めましたね。軸を打ち始めてから、チームの勝利だけを考えて自己犠牲精神が生まれてきたと思います」と、長打狙いから社会人の3、4年目からヒットを求めるようになった。
現時点で、プロの世界では再び本塁打スタイルに戻そうとしているのか、それとも変わらず、ヒットを求めるスタイルで勝負していくのかーー。どういう打撃スタイルでプロの舞台で勝負していこうと考えているのだろうかーー。
「社会人野球を経験して、ホームランバッターじゃないなと思っています。社会人野球でプロにかかったのはそこ(ヒットを打つスタイル)を評価されたと思うので、ヒットに重きを置いて三振しない選手になりたいと思っています」。
2月1日の春季キャンプまで2週間を切った。現在は投げる方に関しては、出来上がっているとのことだ。プロ1年目をどんなシーズンにしたいか訊くと、「怪我なく一軍に長くいられればいいなと思います。試合にも出られたらいいんですけど。めちゃめちゃ頑張るぞ!というような目標は今のところないですね。ただひたすら寡黙にやっていきたいと思います」と教えてくれた。周りに流されず、立松スタイルでプロの世界で戦っていく。
▼ 立松由宇プロフィール
背番号:49
生年月日:1999年2月5日生
守備位置:捕手・内野手
身長 / 体重:177センチ / 82キロ
投 / 打:右 / 左
経歴:藤代高−立正大−日本生命−ロッテ(6位)
取材・文=岩下雄太