画像提供:マイナビニュース 日々の暮らしに絶対に欠かせないもの。それはスマートフォン。そして、出かけるときに欠かせないのが、スマートフォンを充電するためのモバイルバッテリーやUSB急速充電器だ。
○■スマートフォンの必須アイテム
私が最初に購入したスマートフォンは「iPhone 3G」。2008年の夏に日本で最初に発売されたiPhoneだ。発売したのはソフトバンクだけだったので、どうしてもiPhoneを使いたくて、ガラケー(フューチャーホン)時代から10数年契約していたキャリアを、わざわざ乗り換えて購入した。
当時、私はBSテレビ放送局の「BS朝日」が毎週土曜日23時から放送していた、大人の男性にふさわしいモノや遊びを紹介する帯番組「THE MEN’S TV」(イースト制作)のスーパーバイザー(総合監修者)を務めていた。
今ではテレビのコンテンツ制作では当たり前のことだが、当時はMacBookとハードディスクにビデオ編集ソフトの「Final Cut Pro」の組み合わせによる、超コンパクト・システムでのノンリニア編集が可能になったばかり。チーフプロデューサーからディレクターも、もちろん私もMacユーザー。当然ながらスタッフの間で「早く日本でも発売して!」とiPhone熱が盛り上がり、やっと発売されたiPhone 3Gを、スタッフ全員が競うように購入したのだ。会議室で全員がiPhone 3Gを手にしている。あの光景はなかなかレアなものだった。
その時からモバイルバッテリーと充電ケーブルは絶対に手放せないものになった。ネットの情報検索がいつでもどこでもできるスマートフォンは、通信データ量も多くて電池の消費量も大きいので、すぐにバッテリーが減ってしまう。しかも、今は電子マネーやクレジットカード、ポイントカード、各種の会員証の役割も持っている。そのほとんどが、バッテリーが切れたら使えない。
だから、これまでたぶん50個を超えるモバイルバッテリーや、15個近くのUSB急速充電器を使ってきた。残念なことだが、特にモバイルバッテリーには「ちょっと、これはひどいな」というものもあった。主な問題は次の3つだ。(1)サイズが大きいのに、また大容量と表示されているのに、その表示通りのバッテリー容量がない。(2)使った後の充電に意外と時間がかかる。(3)何度か使っただけで容量がみるみる減ってしまう。つまり、すぐにヘタってしまう。
USB急速充電器の場合も同じような問題があった。給電できるパワーが少ないので、(1)スマートフォン用とノートPC用、それぞれUSB急速充電器が必要。(2)コンセントにつないでいるのに充電スピードが遅く、バッテリーになかなか充電できない。また、充電器のサイズも少し前まで、かつてスマートフォンに付属していたものよりかなり大きかった。
この悩みが改善されたのはついこの2年あまりのこと。「USB PD (USB Power Delivery)」や「PD-PPS(Programmable Power Supply)」、そして「Quick Charge」。こうした急速充電規格に対応したモバイルバッテリーや、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)などの新しいパワー半導体を使うことで超小型&高出力を実現したUSB急速充電器が登場してからだ。
こうした規格に対応したモバイルバッテリーやUSB急速充電器を一度使うと、もう以前使っていたものには戻れない。特に、電源のない外出先でノートPCが、USB PD規格対応のモバイルバッテリーで充電して使えるようになったのは、本当にうれしかった。
また、スマートフォンをカメラとしても使うことが多いので、スマートフォンの電池を切らすわけにはいかない。仕事の際はミラーレス一眼を使っているが、人物ポートレートやマクロ撮影、ワイド撮影、さらに動画撮影など、スマートフォンの方が簡単でキレイに撮れてしまうことが多い。スマートフォンのチップはパソコン以上に高性能なので、高度な画像処理を撮影時にやってくれるからだ。このウエブ連載用の撮影でも、もちろん画像ソフトで処理するけれど、画像処理が少なくて済む。
スマートフォンとノートPCの内蔵バッテリーはどちらもサービスセンターに持ち込まないと交換できないし、それなりの費用がかかる。だからスマートフォンやノートPCのバッテリーがヘタっていると、出先ではバッテリー切れの心配で仕事に集中できない。こうした心配が、急速充電タイプのモバイルバッテリーやUSB急速充電器を手に入れるだけで一気に解消されるのだ。
○■モバイルバッテリーとUSB急速充電器がひとつに
そして今、筆者がこの夏から愛用しているのが、2024年8月に発売された「Anker(アンカー)」の“史上最高峰充電器シリーズ”「Anker Prime(アンカー プライム)」の「Anker Prime Power Bank (9600mAh, 65W, Fusion)」だ。
Fusion(フュージョン:融合)という名前どおり、スマートフォンやノートPCを充電できる容量9600mAhのUSB-PD対応モバイルバッテリーと、最大65W出力の急速充電器がコンパクトにまとまっている。差し込みプラグ部分を折りたたんだときの本体サイズは約115 x 44 x 42mm。重さも約308gと、とにかくコンパクト。大容量のモバイルバッテリー、スマートフォン用とノートPC用のUSB急速充電器。昔はこの3つで、小さなバックパックの荷室が3分の1近くも埋まってしまった。あの頃と比べれば、この3つがたった1つで、しかも6分の1くらいの体積で済むのは本当に驚きだ。
これでいつでもどこでも、今使っているノートPC「MacBook Pro M2」と「iPhone 14 pro」をUSB-Cの2ポートから同時に、モバイルバッテリーとして、またコンセントにつないだときは充電器として急速充電できる。しかもコンセントをつなげば、ノートPCとスマートフォンを充電しながら、本体のモバイルバッテリーを充電する「パススルー充電」にも対応している。もちろん240V対応だから海外出張もOK。
しかもAnkerのUSB-PD対応のモバイルバッテリー同様、本体のディスプレイで、つないだ機器を今どのくらいのパワーで機器を充電しているのが、内蔵バッテリーがどのくらいでフル充電にできるのか、ディスプレイで詳しく確認できる。
実はこの機能、出張取材、特に海外取材のときは本当にありがたい。1日の取材が終わった夜、絶対にしなければならないのが、撮影データのバックアップと、カメラのバッテリーやスマートフォンやノートPCなどの充電。サボったら翌日の取材ができない。しかも、ホテルの部屋のコンセントの数は限られている。だから、充電のために寝られない、つまり睡眠時間を削ることもしょっちゅうだ。
だから「あと充電にどのくらいかかるか」という表示があると、安心してその作業ができる。充電速度も速ければ速いほど助かる。「あと何時間何分で充電が完了する」と分かるので、終わり次第、すぐに次の機器の充電が始められる。
そんなモバイルワーカーにとって、いまのところこれ以上のモバイルバッテリー兼USB急速充電器はない。もしあなたも、筆者のようにスマートフォンと一緒にノートPCを持ち歩く、いわゆる“デジタルノマド”で、少しでも持ち歩く機器をひとつにまとめたいなら、ぜひオススメしたい。
Anker Prime Power Bank (9600mAh, 65W, Fusion)
1万4,990円(税込) Anker Japan 公式オンラインストア価格(2025年1月時点)
GaN(窒化ガリウム)パワー半導体を搭載した、9600mAh 65W出力モバイルバッテリー搭載 65W出力USB急速充電器。C1とC2という2つのUSB-Cポートを搭載していて、1ポート使用の場合は最大65W、2ポート同時使用の場合は、C1が最大45W、C2が最大20Wの出力が可能。
入力は、AC:100V-240V~、50-60Hz、2.0A。USB-C:5V3A / 9V3A / 12V1.5A / 15V2A / 20V1.5A。
出力は、5V3A / 9V3A / 12V3A / 15V3A / 20V3.25A (65W最大)。本体のサイズは約115×44×42mm、重量は約308g。本体にストラップ付き。USB−C〜USB-Cケーブル(0.9m)と布製ポーチが付属。
文・写真/渋谷ヤスヒト
渋谷ヤスヒト しぶややすひと 時計ジャーナリスト、モノジャーナリスト、編集者。1990年代前半から徳間書店のモノ情報誌「GoodsPress」と同誌別冊の時計専門誌の編集者として時計の取材&執筆を開始。1995年からはジュネーブとバーゼルのスイス2大時計フェアと現地の時計ファクトリーの取材をスタート。徳間書店退社後の2003年以降、現在まで時計フェアと時計ブランドの現地取材を続けている。スマートウォッチやスマートフォンもカバーする。ジュネーブ・ウォッチ・グランプリ(GPHG)アカデミー会員、日本時計学会会員。 この著者の記事一覧はこちら(渋谷ヤスヒト)