今週末の土曜日、小倉10Rの企救丘特別(4歳上・2勝クラス・ダ1700m)には、「北九州モノレール開業40周年記念」の副題が付いている。市の玄関口となる小倉駅から、競馬場前を通ってベッドタウンの企救丘(きくがおか)へ。そんな北九州モノレールは、今月9日で開業40周年の節目。運営する北九州高速鉄道株式会社に、同路線の歴史や競馬との関わりを聞いた。
日本ダービーをシリウスシンボリが制した1985年、北九州モノレールは華々しくスタートを切った。80年までは現在のモノレールに沿って、路面電車の西鉄北方線が存在。当時を知る人によれば、小倉競馬場のアクセスとしても多く利用されていたという。路面電車で競馬場といえば、函館が思い浮かぶが、かつては小倉もそのひとつだった。
モノレールができたことで、競馬場アクセスは大きく向上した。路面電車が通っていた道路よりも競馬場に近いところに、国道322号線北方バイパス、およびモノレールが敷設。設置された競馬場前駅から、小倉競馬場までは駅直結となった。非開催日は1日約2000人の利用客だが、開催日には「競馬場口」を開設し、駅務員も増員して対応。レースが行われる時は平均約8600人、有馬記念の場外発売日には約7000人の利用がある。昨年11月には観客輸送などの面で競馬開催に貢献、協力、そして中央競馬の発展に大きく寄与したとして、JRAから感謝状も授与された。
小倉競馬の開催を支える“裏方”北九州モノレールにとって大きな一日が近づいている。同社ではこれまで、99年の小倉競馬場リニューアル、21年の小倉競馬場開場90周年に記念乗車券をつくったことはあるものの、記念レースを実施するのは今回が初めて。当日は小倉競馬場内でコラボグッズが当たる抽選会のほか、開業40周年記念展示を行い、レースを盛り上げる予定だ。
北九州モノレールの乗客数は延べ4億4700万人を超え、競馬ファンやファミリー層、沿線住民にとって大切な足となっている。北九州高速鉄道株式会社の担当者は、「日頃より北九州モノレールをご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。これからも安全、正確、快適にご利用いただけるよう、社員一丸となって取り組んでまいりますので、北九州モノレールをどうぞよろしくお願いいたします」と感謝のコメント。これからも北九州モノレールは小倉の街に欠かせぬ存在として、競馬開催や地域活性化の力になっていくことだろう。