前回からの続き。私はリンカ。父から「入院中のおばあちゃんの具合が悪い」と連絡を受けて、弟のトウマと祖母が入院する病院へと赴きました。カーテン越しに「おばあちゃん、来たよ」と声をかけたところ、嬉しそうに応答してくれた祖母。しかしカーテンを開けて私たちが姿を見せるや否や、なぜだか表情がこわばりました。そしてそのまま私を無視して会話が進んでいったのです。あまりのことに私はびっくり。私は知らず知らずのうちに、何かをしてしまったのでしょうか?
私の言葉を聞いたトウマは「実は俺もそれはすごく思ってた」「ていうかさ……、理由がわからなかったから帰りの新幹線のなかでは話題に出さないようにしてたんだけど……俺なりに色々と考えてみたんだ。結論、姉さん……」
私は電話を切りました。そして鏡をそっと覗いてみました。丸顔に少しだけ垂れた目、そして薄めの唇。確かにあらためて見ると……。
どこをどう見ても、私は母にそっくりでした。祖母がハッとするのも仕方がないかもしれません。
顔を見せるまでは「リンカちゃん、来てくれたの?」と優しく声をかけてくれていた祖母が、ひとたび顔を合わせたら表情を引きつらせていたのを不可解に思っていた私。
まるで私はいないかのようにずっと無視を貫いた祖母に、何か失礼なことをしてしまったのではないかと不安に思っていました。
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ひょっとしたら祖母は、私を通して母を見ていたのかもしれません。
【第4話】へ続く。
原案・編集部 脚本・motte 作画・んぎまむ
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