ノートPCに“売り切り”のau回線を付属して提供 KDDIが新サービス「ConnectIn」を提供開始 Dynabook/VAIOなどが採用

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2025年01月21日 16:21  ITmedia PC USER

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同日に行われた発表会の登壇者。左からDynabookの渋谷正彦常務(国内PC事業本部長)、KDDIの那谷雅敏常務(ビジネス事業本部 副事業本部長)、VAIOの林薫取締役(開発本部長)

 KDDIは1月21日、一定期間利用できるモバイル通信回線をノートPCなどに組み込んで販売する新ビジネスモデル「ConnectIN」を開始した。本モデルはダイワボウ情報システム(DIS)、Dynabook、レノボ・ジャパン、パナソニック コネクトで採用が決まっており、各社から対応PC/通信サービスが提供される予定だ。


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●ConnectINの概要


 ConnectINは、KDDIのビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクス)」のうち、通信サービスを担う「WAKONX Network Layer」を通して提供される。


 スキームは、KDDIと日本HPと2023年11月から提供している「HP eSIM Connect」と同様で、プラットフォームを採用する各社がMVNO(自ら無線通信設備を持たない通信事業者)としてノートPCなどに売り切り型の通信サービスを付属して提供し、KDDIは販売台数に応じたレベニューシェア(収益共有)を得るという仕組みだ。


 通信サービスは売り切り型なので、エンドユーザーは本体を購入さえすれば、追加の支払いなくau(KDDI/沖縄セルラー電話)の5G/4G LTEネットワークでモバイル通信を利用できる。メーカーは購入時から利用できるモバイル通信サービスを初期投資なしで提供でき、通信サービスを通してユーザーとの接点を維持できるというメリットがある。


 通信サービスの回線に関する情報は、デバイスに内蔵された「eSIM」に書き込まれる。ノートPCであれば、PCに搭載された5G/LTE通信モジュールに内包されたeSIMにデータが書き込まれる。KDDIの特許技術によって、eSIMのデータは対応する(ひも付けられた)デバイスにのみ書き込めるようになっているため、別のデバイスへの移行(≒機種変更)はできない。


 KDDIとしてはノートPCだけでなく、スマート家電を始めとするIoTデバイスでの採用も想定しているという。


●ConnectINの採用製品


 ConnectINは、既に提供を開始している日本HPの他、先述の通りDIS、Dynabook、レノボ・ジャパン、パナソニック コネクトが採用する。新規に提供する4社のうち、Dynabookは1月21日から対応製品の受注を開始しており、サービスの詳細も明らかにしている。


Dynabook


 Dynabookは、ConnectINを使ったMVNOサービス「dynabook eSIM Startin'」の提供を開始する。法人向けノートPCの5G/LTE通信対応モデルに付帯可能で、国内でのデータ通信を4年間無制限で利用できる。LTEモジュールを内蔵したモデルはau 4G LTE、5Gモジュールを内蔵したモデルはau 5Gとau 4G LTEのエリアで利用可能だ。


 契約期間内の通信容量の制限は特に設けていない。ただし、一定期間内に大量のデータ通信を行うと、混雑時間帯に通信速度を制限することがある。また、Windowsの「モバイルホットスポット」(テザリング)機能の利用は約款で禁止されている。


 1月21日時点の対応モデルは「dynabook X83」のみとなる。カスタマイズ(CTO)オプションでLTEモジュールまたは5Gモジュールを内蔵すると、本サービスを付属できるようになる。価格については「要問い合わせ」となる。


VAIO


 VAIOについては、ConnectINを利用したMVNOサービスを提供する方針を示したものの、具体的なサービス内容や対応機種は後日発表となる。


 同社のノートPCでは、法人モデルにおける5GまたはLTE対応モジュールの選択率が3割を超えているといい、ConnectINを活用することで法人分野における「ユーザーに意識させない本当の常時接続」環境の整備を一層推進するとのことだ。



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