今回紹介するのは、ニコニコ動画に投稿された『【解説】『マズすぎて有名になったお薬』 イソソルビド(イソバイド)【宮舞モカのお薬ラジオ #26】』という、いわし@超ビビリ(休養中)さんの動画です。
投稿者のいわし@超ビビリ(休養中)さんは薬剤師を務めながら、薬学にまつわる様々な動画を投稿しています。
今回の動画では「イソソルビド(商品名はイソバイド)」という薬について解説しています。
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イソソルビドは、めまいや吐き気などの発作を起こすメニエール病に使用されるそうです。
他にも、頭部外傷時の脳圧上昇、脳腫瘍による脳圧上昇、緑内障、腎臓・尿路の結石にも使用されるとのこと。
様々な病気に処方される薬ですが、すべて同じメカニズムで効き目が表れるそうです。
そのメカニズムというのが「浸透圧」です。
水や特定の物質しか通さない膜を「半透膜」と呼び、半透膜でしきった液体の片側に物質を溶かすと濃度を均一にしようとして水が移動する現象が起きます。
このとき、移動しようとする圧力を浸透圧と言います。
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まず、人体には多くの部分が栄養や水分を行き来させる半透膜でできているそうです。
そこにイソソルビドを服用すると、血液中のイソソルビドの濃度が上がります。
すると、濃度を均一にしようとして体内の水分が血液に引き込まれます。
血液に集まった水分は尿として処理されます。
尿の水分は身体に再吸収されますが、この再吸収も半透膜を介した水の移動なので、尿に混じったイソソルビドによって浸透圧がかかり再吸収されにくくなるそうです。
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つまり、身体に余分な水分が溜まってしまっているときにそれを尿として出したり、尿の量を増やしたいときに使える薬とのこと。
ちなみに、こういった浸透圧によって尿量を増やすことを、浸透圧利尿というそうです。
浸透圧利尿を期待するならイソソルビド以外の物質でもできそうですが、イソソルビドには利点があるそうです。
それは、臓器を刺激せずに腎臓でろ過されて尿として体外に出てくれる性質のおかげで、大量に投与できるところ。
濃度の差があるほど浸透圧を強くできるので、イソソルビドが適任なのだそうです。
イソソルビドは様々な病気に効きますが、それはどれも水分を尿として出してくれるからだとか。
例えば、尿路結石なら尿量が増えることで結石が溶けやすくなるそうです。
頭部外傷や腫瘍によって脳の中に水が溜まってしまう場合(脳圧が高くなってしまった場合)も、水分を血液に引き込むことで症状を改善するようです。
同様に、緑内障で眼球内に水が溜まってしまった場合(眼圧が高くなってしまった場合)にも、効果があるそうです。
メニエール病は、耳の中にリンパ液が過剰にたまることでめまいや吐き気を引き起こすそうで、イソソルビドによってリンパ液を排出できれば症状が改善するとのこと。
どの場合でも、浸透圧によって水分を抜くという作用で効き目が出ているようです。
さて、このイソソルビドは「後味が苦くて不味い薬」としても有名だそうです。
そんな薬を1日3回服用する必要があるとのこと。
この不味さにも理由があり、イソソルビドが大量に入っているためだそうです。
前述したとおり、濃度が高いほど浸透圧を強く出せるので効き目のために不味くなってしまうのは、ある程度仕方ないことのようです。
では、少しでも不味くなく飲むためにはどうするか、というと水で2倍までは薄めて良いそうです。
ただし、あまり味は変わらないとのこと。
医薬品メーカーが推奨しているわけではない非公式な方法ですが、オレンジジュースなど酸味のある飲み物と合わせると苦みを打ち消せるという話もあるそうです。
ちなみに、ジェネリック医薬品として販売されている後発の薬は味も改善されているとのこと。
ただし、ジェネリックの方が少しお高めだそうです。
興味がわいた方はぜひ下記のリンクから動画でもお楽しみください。
視聴者のコメント
子供向けのわざとらしい甘さのシロップ薬みたいな味でしたね
ワイメニエール患者、甘いのに苦いあの味を思い出して悶絶
不味くても飲め、といえる程度には優秀なのね
耳鳴りで泣いてた時お世話になった
他に作用しないのは使う側としてはとても有用そう
▼動画はこちらから視聴できます▼
『【解説】『マズすぎて有名になったお薬』 イソソルビド(イソバイド)【宮舞モカのお薬ラジオ #26】』
https://www.nicovideo.jp/watch/sm44533960
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