アメリカのトランプ新大統領がパリ協定からの再離脱や、WHO=世界保健機関からの脱退を進める大統領令に署名したことについて、中国政府は懸念を示しました。
アメリカのトランプ新大統領は20日、気候変動対策の国際的な枠組みである「パリ協定」からの再離脱を進める大統領令に署名しました。
これについて、中国外務省の郭嘉昆報道官は21日の定例会見でこのように述べました。
中国外務省 郭嘉昆 報道官
「中国はアメリカがパリ協定からの離脱を表明したことに懸念を示す」
そのうえで、「気候変動は全人類が直面する共通の課題であり、どの国もこの問題から距離を置くことはできない」などと述べ、中国が気候変動などの課題の解決に向けて、あらゆる関係国と協力していく姿勢を示しました。
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また、トランプ氏がWHOからの脱退を進める姿勢を示していることについても懸念を示しました。
中国外務省 郭嘉昆 報道官
「WHOの役割は強化されるべきで、弱められるべきではない」
そのうえで、「中国はこれまで通り、WHOがその任務を遂行できるよう支援する」と主張しました。
トランプ氏が中国からの輸入品に対する関税を引き上げる姿勢を示していることについては、対話を強化し、協議する必要性を強調しました。
中国外務省 郭嘉昆 報道官
「米中の間には意見の食い違いや摩擦があるものの、両国の共通利益と協力できる余地は大きい」
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そのうえで、「アメリカ側が中国側と歩み寄り、貿易関係の持続的な発展を共同で推進したい」と述べました。
会見では、対中強硬派で中国が入国禁止の制裁対象としているマルコ・ルビオ国務長官について、制裁の解除を検討するのかという質問も出ました。
これに対して、郭嘉昆報道官は制裁を解除するかどうかについては明言しませんでしたが、「中国は国家の利益を断固守るが、同時に、米中両国の高官は適切な方法で連絡を保つ必要がある」とも述べ、制裁解除に含みを持たせました。