広島市南区の自宅で、3歳男児の手足や口に粘着テープを巻き付けたとして、広島県警は21日、母親で無職の熊谷瞳(26)と、祖父でパートの熊谷和弘(52)の両容疑者を暴行の疑いで逮捕した。男児は極端に痩せており、意識がない状態だという。県警は虐待を繰り返していた可能性もあるとみて調べている。
逮捕容疑は共謀して2024年9月5日午前3時半ごろ、マンションにある自宅で男児の両腕や両足、口に粘着テープを巻き付け、段ボール箱に入れたとしている。両容疑者は「間違いない」と容疑を認めているという。
県警広島南署によると、両容疑者は逮捕前日の20日午後、意識がもうろうとした状態の男児を連れて自宅近くのクリニックを受診した。男児は別の病院に搬送され、診察した医師が「虐待の疑いがある」として市児童相談所(児相)に通報。児相が県警に連絡して発覚した。
警察官が両容疑者から事情を聴いたところ、男児に暴行していた疑いが強まったという。男児が痩せていたことも踏まえ、県警は保護責任者遺棄容疑などを視野に詳しい経緯を調べる。
男児は両容疑者のほか、きょうだいとなる女児2人の計5人暮らし。この一家について、県警と児相は通報や相談を受けたことがなく、虐待などのトラブルは把握していなかった。女児は健康状態に問題はないが、いずれも児相に保護されたという。
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近所に住む30代の女性は20日午後、和弘容疑者らがぐったりとした男児を抱えているのを目撃したという。女性は「(両容疑者が)女の子2人を連れているのはよく見たが、男児を見たことはほとんどない。会えばあいさつを交わすぐらいだが、事件と聞いてびっくりしている」と話した。【中村清雅、安徳祐、武市智菜実】
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