詩織さん母校で両親が講義＝桶川ストーカー、被害語る―埼玉

　埼玉県桶川市で１９９９年、大学生猪野詩織さん＝当時（２１）＝がストーカー被害の末に殺害された事件で、両親が２１日、詩織さんの母校・跡見学園女子大の新座キャンパス（同県新座市）で学生に講義を行った。

　両親による同大での講義は、２０１９年秋学期から「現代ジャーナリズム論」の中で年２回開催され、この日は１、２年生約１６０人が出席した。

　父憲一さん（７４）は「（ストーカーの）被害に遭わぬよう十分注意してください」と伝えた上で、「一方的な情報になっていないか。デマはないか、権力側の言い分のみ伝えられていないか。ジャーナリズムの役割を学ぶ皆さんに、事件の分析を正しく行ってほしい」と呼び掛けた。

　詩織さんからプレゼントされたセーターを着て講義に臨んだ母京子さん（７４）は「テレビをつけると、娘の写真は不真面目に遊んでいるように見えるものばかりが意図的に流されていた。私たち家族は本当に苦しみ、悲しみました」と訴えた。

　観光コミュニティ学部２年の小林真璃亜さん（２０）は「自分に起きてもおかしくない話。事件を知らない人もいると思うので、伝えていきたい」と話した。文学部１年の萩原愛歌さん（１８）は「メディアをうのみにするのではなく、事実なのか、情報源が信用できるかを確認していきたい」と語った。