穴党に根強い人気を誇るのが江田照男騎手だ。来月には53歳。関東では柴田善臣騎手、横山典弘騎手、内田博幸騎手に次いで4番目の年長ジョッキーとなる。さすがに全盛期に比べると勝ち鞍は減っているが、それでも6月16日の東京では単勝138.7倍で勝利するなど、存在感を発揮している。
そんな江田照男騎手の唯一のGII連覇が01年と02年のAJCCだ。01年は既に重賞2勝を挙げていた「盟友」アメリカンボスで参戦。ダイワテキサスに次いで4.6倍の2番人気に推され、先団で堂々の立ち回り。4角で外から前に並びかけると、直線半ばで先頭へ。追ってきたロードプラチナムに2馬身半差をつける完勝を収めた。
続く東京競馬場で行われた02年は江田照男騎手らしい、伏兵での一発だった。前走で1000万下を勝ったばかりのフサイチランハートと初タッグ。単勝19.6倍の8番人気だった。道中は最後方で脚をためて直線へ。馬群の中からジワリジワリと脚を伸ばすと、最後は内を突いたスパークホークをクビ差抑え、重賞初挑戦初制覇を果たしたのだった。
近年の江田照男騎手といえば、牝馬ダート重賞を沸かせたテリオスベルとのコンビが印象的だ。ただ、そんな相棒も昨春に引退。JRA重賞制覇は19年の函館スプリントSのカイザーメランジェが最後となっているが、今年は再び大舞台で活躍してほしいものだ。