【AJCC予想】例年にも増して強力なメンバー構成に AIの推奨馬はかなり魅力的な妙味もつ一頭

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2025年01月22日 20:30  netkeiba

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AJCCに出走予定のボーンディスウェイ(撮影:下野雄規)
【文・構成:伊吹雅也(競馬評論家)=コラム『究極のAI予想!』】

netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

◆極端な高額配当決着となった年はそれほど多くない

AIマスターM(以下、M) 先週は日経新春杯が行われ、単勝オッズ7.2倍(4番人気)のロードデルレイが優勝を果たしました。

伊吹 強かったですね。五分のスタートを決めて流れに乗り、道中は中団のインコース、8番手前後のポジションを追走。逃げたメイショウタバル(11着)が1000m通過57秒7のペースで引っ張る中、先団をマークするような形でレースを進め、4コーナーでは早くも前の各馬を捕らえにかかっています。ゴール前の直線に入ったところで単独2番手に浮上し、残り200m地点のあたりでメイショウタバルを並ぶ間もなく抜き去ると、その後は独走態勢に。結局、遅れて伸びてきたショウナンラプンタ(2着)らに3馬身の差をつけて入線しました。絶妙なタイミングで強気に仕掛けた西村淳也騎手も、それに応えて圧倒的なパフォーマンスを見せたロードデルレイも、お見事と言うほかありません。

M ロードデルレイは待望の重賞初制覇。昨年の白富士S以来となる、約1年ぶりの勝利です。

伊吹 もともと3歳時の神戸新聞杯で4着に健闘した実績のある馬。当レース終了時点で通算9戦6勝8連対と、まったく底を見せていない馬ですが、タイトル獲得までに思いのほか時間がかかってしまいましたね。ちなみに、その神戸新聞杯とデビュー戦を除く前走までの計6レースは、すべて単勝1番人気。順調に使い込めない時期があったとはいえ、素質は高く評価されていたわけですから、相対的に注目度が落ちた今回は絶好の狙い目だったのかもしれません。

M 次走は検討中とのことですが、おそらく大阪杯、宝塚記念、天皇賞(秋)といった中距離のビッグレースがターゲットになってくるのではないかと思います。

伊吹 さらに相手関係が強化されたとしても、今回の鮮やかな勝ちっぷりが相当に高く評価されるでしょうし、手頃なオッズがついてくれるかどうかは微妙なところですね。敗れた3戦のうち2戦が右回りのレースでしたから、場合によってはそのあたりが不安視されるかも……といったところでしょうか。潜在能力の高さに敬意を表しつつ、選んだレースの傾向も考慮しながら、慎重に取捨を判断していきたいと思います。

M 今週の日曜中山メインレースは、日経新春杯と同様に古馬中長距離路線の有力馬が集う注目の一戦、アメリカジョッキークラブカップ。昨年は単勝オッズ6.5倍(3番人気)のチャックネイトが優勝を果たしました。なお、その2024年は単勝オッズ4.4倍(2番人気)のボッケリーニが2着、単勝オッズ7.6倍(5番人気)のクロミナンスが3着となったこともあり、3連単の配当は1万6330円どまり。堅めの決着をイメージしておくべきですか?

伊吹 過去10年のAJCCにおける3連単の配当は、平均値こそ12万1055円ですが、中央値は2万9760円、2022年に3連単72万760円の高額配当が飛び出しているものの、半数の5回は3万円未満の配当で決着しています。

M 過去10年の単勝人気順別成績を見ても、7番人気以下の馬はあまり上位に食い込めていません。

伊吹 より実態に即した区切り方をすると、単勝4番人気から単勝5番人気の馬は2015年以降[2-2-4-12](3着内率40.0%)、単勝6番人気から単勝8番人気の馬は2015年以降[2-1-3-24](3着内率20.0%)、単勝9番人気以下の馬は2015年以降[0-1-0-60](3着内率1.6%)となっていました。人気を裏切ってしまった馬も決して少なくないとはいえ、超人気薄の馬が馬券に絡む可能性はそれほど高くないと見るべきでしょう。

M そんなAJCCでAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、ボーンディスウェイです。

伊吹 面白いところを挙げてきましたね。上位人気グループの一角を占めることはまずないでしょうし、場合によってはかなり魅力的なオッズがつきそう。

M ボーンディスウェイは明け6歳。重賞勝ちこそないものの、3歳時の弥生賞や前走の中山金杯で3着となった実績がある馬です。過去24戦のうち13戦が中山のレースで、走り慣れた舞台なのもプラスに働くはず。もっとも、今年のAJCCは例年にも増して強力なメンバー構成となりましたから、この馬を中心視しようと考えている方はあまりいないかもしれません。

伊吹 もともと人気の盲点になりやすいタイプでもありますからね。Aiエスケープが狙い目と見ているのであれば、穴党ならずとも注目しておく価値はありそう。この見立てを踏まえたうえで、レースの傾向とボーンディスウェイのプロフィールを見比べていきましょう。

M 真っ先にチェックするべきポイントはどのあたりですか?

伊吹 まずは直近の競走成績を素直に評価したいところ。2021年以降に限ると、前走の着順が2着以下、かつ前走の1位入線馬とのタイム差が0.4秒以上だった馬は、3着内率が10.3%にとどまっていました。

M 基本的には前走好走馬が優勢、と。

伊吹 なお、前走の着順が2着以下、かつ前走の1位入線馬とのタイム差が0.4秒以上だった馬のうち、その前走が“東京・京都の、GIのレース”でなかった馬は2021年以降[0-1-0-30](3着内率3.2%)。今回と異なる資質を求められるビッグレースから直行してきた馬でない限り、大敗直後の馬は強調できません。

M ボーンディスウェイは前走で3着に敗れてしまったものの、勝ち馬との差が0.3秒。この点は強調材料のひとつと見て良いでしょう。

伊吹 あとは脚質も見逃せないファクターのひとつ。同じく2021年以降の3着以内馬12頭は、いずれも前走の4コーナー通過順が3番手から10番手でした。

M はっきりと明暗が分かれていますね。

伊吹 人気を裏切ってしまった該当馬も多いので、先行力が極端に低い馬や、その逆に前々でレースを進めないと持ち味が活きない馬は、過信禁物と見ておいた方が良さそうです。

M ボーンディスウェイは前走の4コーナー通過順が3番手。ギリギリではありますが、この条件にも引っ掛かっていません。

伊吹 さらに、同じく2021年以降の3着以内馬12頭は、前走の馬体重が460kg以上510kg未満でした。

M こちらもなかなか興味深い傾向。極端に小柄な馬も、極端な大型馬も苦戦していますね。

伊吹 今年はダノンデサイル・ボルドグフーシュらがこの条件に引っ掛かっているので、該当馬の扱いに注意しましょう。

M ボーンディスウェイは前走の馬体重が498kg。レースの傾向からも強調できる一頭と言えそうです。

伊吹 まったくの偶然なのですが、もともと私もこの馬から穴を狙ってみようと考えていました。コース替わりはまったく問題ないと思いますし、実績上位の各馬が何かしらの不安要素を抱えている点も追い風。そのうえAiエスケープも有力と見ているわけですから、期待して良いのではないでしょうか。最終的なメンバー構成や実際のオッズも踏まえたうえで、妙味ある配当が引っ掛かりそうな買い目を組み立てたいと思います。

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