ヤギのように長い顎ひげをたくわえた痩せぎすの男――。2024年12月18日に死体遺棄容疑で警視庁に逮捕され、2025年1月7日に詐欺と窃盗の疑いで再逮捕された元作家・高島望容疑者(64)だ。
2010年に経営破綻した消費者金融『武富士』創業者の武井保雄元会長(故人)の娘婿として、同社の役員に登用されるなど順風満帆な時期もあった。
『松下政経塾』の5期生
「最初の逮捕は、同居していた女性とみられる白骨遺体を自宅に放置した疑い。
再逮捕は、この女性になりすまして80代の父親に《不整脈が悪化している。これから会計なので9600円送金して》などとショートメッセージを送信し、口座に振り込ませた1万円を詐取した疑いが持たれています。
遺体は身元確認中ですが、2020年8月ごろ病死したとみられ、以降約4年間で病院の診察料や薬代名目で計約30万円を振り込ませていました」(全国紙社会部記者)
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白骨遺体が見つかったのは、東京都品川区の自宅マンション。家賃滞納で、裁判所が強制執行で室内に立ち入ったのがきっかけだった。いずれの容疑も認め、「食べるのにも困っていた」と話している。
「室内はゴミ屋敷状態だったみたい。警察車両3台がマンション前に縦列駐車し、警察は大きな収納袋いっぱいにゴミを詰めてトラックで持っていったよ」(地元住民)
島根県松江市の出身。中央大学法学部を卒業後、国のリーダーを育成する『松下政経塾』に5期生として入塾。
同期生の高市早苗衆院議員に当時の印象や語っていた将来像、把握している近況と思うことなどを質問すると、
「おとなしく上品な感じでした。将来のことは話した記憶がありません。長年お会いしていないので近況は知りませんでした。報道で生活に困っておられたことを知り驚きました。それでも、犯罪行為があったとしたら許せないと思います」
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と回答した。別の同期生は「彼は外部活動に忙しく、薄い印象しかありません」と、目立たない存在だったようだ。
入塾中に武井会長の長女と結婚し、一族と同居。容疑者の著書『武富士流金儲けの極意』によると、武井会長の手足となり、借金を返さない人物の見分け方など帝王学を学び、ソフトバンクの孫正義氏ら財界トップと人脈を築いたという。
義父のリクエストで北島三郎の『歩』を歌わされ、《人生にとって大事なのは、スタートではなくゴールだと思う。「歩」に生まれて「と金」に変ずることができるかどうか――すなわち「成り金」になれるかどうかなのである》(同書より)と心酔しきり。
政治家になるため同社を退社後、海部俊樹元首相の秘書を経て、1995年に参院選に出馬するも落選。経営コンサルタントや金融評論家として執筆活動をしていたが、離婚が転機になったようだ。
女性信者を性風俗店で働かせた全裸SEX教団『ザイン』の特別顧問として報酬を得ていたとも報じられている。
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近寄るとゴミみたいな強烈な体臭
その近況について、容疑者と面識のある近所の男性は「よくサッカーの話をしていました。“大久保(嘉人)はすごかった”とか“三笘(薫)はいい選手だ”とか。身の上話はしませんでしたね」と振り返る。
近所の女性は「汚らしいウインドブレーカーを着て、近寄るとゴミみたいに体臭が強烈でした。長いことお風呂に入っていないか、いま思うと死臭が染みついていたのかもしれません」と話した。
遺体を放置した理由について「気が動転して現実逃避してしまった」などと話しているというが、金をダマし取ることに抵抗はなかったのか。金に翻弄された男の末路なのかもしれない。