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2024年の飲食店倒産件数は894件と過去最多となった。帝国データバンク(東京都港区)によると、2023年の飲食店倒産件数は768件であり、前年よりも16.4%増加した。今まで最も多かった2020年の780件を上回り、過去最多を更新したことが分かった。
過去最も倒産件数の多かった2020年は、新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言が発出された年だった。その後、コロナ禍のゼロゼロ融資や休業・時短営業に伴う協力金などといった支援策が講じられ倒産件数は抑制された。
2024年は支援策の縮小や融資の返済開始、さらには急速に進行した円安による物価高の影響が響き、資金繰りが厳しくなった小規模の飲食店事業者に増加がみられた。また、経済回復後には人材獲得のための賃上げなど、人件費の負担も増えていったことも倒産件数増加の一因とされている。
負債の規模別に倒産件数をみると、「1000万〜5000万円未満」が最も多く692件、「1億〜5億円未満」(93件)、「5000万〜1億円未満」(92件)と続いた。負債額最大だったのは、ビヤレストランやビヤホールを展開していたアサヒフードクリエイトで約89億9726万円だった。
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業態別(11業態)でみると、倒産件数が最も多くなった業態は「酒場、ビヤホール」で212件。次いで「中華料理店、その他の東洋料理店」(158件)、「西洋料理店」(123件)が続いた。
帝国データバンクによると、飲食店の大半を占める小規模事業者では、原材料や光熱費などのコスト上昇、人手不足に伴う人件費の負担も増える中、消費者の節約志向により値上げを躊躇(ちゅうちょ)し収益改善が遅れて厳しい資金繰りが続いているケースが多いという。そのため、今後も倒産や休廃業は高水準で推移すると予測されるとしている。
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