サムスン電子が発表したばかりの「Galaxy S25」シリーズ。「Galaxy AI」の進化がアップデートの目玉だが、スペック面では「Galaxy S24」シリーズから何が進化したのか、新機能は何かを中心にそれぞれの違いを整理する。なお、この記事では日本発売が決定したGalaxy S25とS24、Galaxy S25 UltraとS24 Ultraを比較する。
●Galaxy S25とGalaxy S24の違い:プロセッサや放熱性能が向上
まずはプロセッサから見ていこう。
Galaxy S25のGalaxy AIやパフォーマンスを下支えするのはプロセッサだ。Galaxy S24はQualcommのSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxyを採用していたが、Galaxy S25はSnapdragon 8 Elite for Galaxyを搭載した。
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このプロセッサはQualcommが2024年に発表したSnapdragon 8 Eliteをベースに、CPU/GPUコアやNPU(推論プロセッサ)の動作クロックを引き上げたカスタマイズ品となる。
性能は、より強力で正確なAI体験を可能にするNPUが40%、CPUが37%、GPUが30%向上した。QualcommとSamsung Electronicsが密接に連携して開発したモバイル向けのプロセッサで、電力効率の向上によるバッテリー持ちの改善、カメラ撮影や編集の体験の向上にも寄与する。
S24と比較してレイトレーシングの性能が約40%強化され、ゲームプレイ時にリアルで鮮やかな表現が可能だという。40%大型化したベイパーチャンバー、熱効率を20%向上させる素材を使用した放熱構造の改善により、長時間、不可のかかる作業をしてもパフォーマンスを損なわないようにしたという。
ディスプレイはどちらも6.2型の有機ELディスプレイ。輝度は2600ニトとこちらも変わらない。リフレッシュレートも1〜120Hzの可変式となっている。
アウトカメラの構成は同じ3眼で画素数も変わらない。どちらも約1000万画素の光学3倍ズーム対応の望遠カメラ、約5000万画素の広角カメラ、約1200万画素の超広角カメラを備える。インカメラはどちらも約1200万画素の単眼だ。
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メモリは12GB、ストレージは256GB、512GBから選べる。この点はS25/S24ともに同じだ。microSDスロット非搭載も変わらない。
SIMはnanoSIMとeSIMに対応している。この点もGalaxy S24と同じだ。例えば、メインの回線をnanoSIMにし、メイン回線が通信障害などで使えない場合に備え、サブ回線としてeSIMを設定できる。
防塵(じん)・防水レベルについては防塵等級が「6=粉塵が内部に侵入しない」、防水等級が「8=連続的に水中に置いても有害な影響がない」で、どちらもIP68等級の防塵・防水に対応する。この点もGalaxy S24からのアップグレードはない。
発売時のプリインストールOSはGalaxy S24がAndroid 14、Galaxy S25がAndroid 15だ。なお、Samsung Electronicsが7世代のOSアップデートと7年間のセキュリティ更新の提供を保証している点は変わらない。
バッテリーの容量は4000mAhで変わらない。ワイヤレス充電とワイヤレス給電にも引き続き対応する。
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サイズは若干異なる。Galaxy S24は約71(幅)×147(高さ)×7.6(厚さ)mmだったのに対し、Galaxy S25は約71(幅)×147(高さ)×7.2(厚さ)mmと約0.4mm薄くなった。Galaxy S25の重量はGalaxy S24の約167gより5g軽い約162gだ。
●Galaxy S25 UltraとGalaxy S24 Ultraの違い:超広角カメラが5000万画素に
ここからはGalaxy S25 UltraとGalaxy S24 Ultraのスペックを比較する。
プロセッサは先のS25と同様に変更となった。Galaxy S24 UltraはSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxyだったが、Galaxy S25 UltraではSnapdragon 8 Elite for Galaxyを搭載する。
アウトカメラは若干アップデートがある。構成は同じ3眼となっているが、超広角カメラの画素数が約1200万画素から約5000万画素にアップデートした。その他は、約2億画素の広角カメラ(メイン)、望遠カメラ(5倍/約5000万画素と3倍/約1000万画素の切り替え)は同じだ。インカメラは約1200万画素の単眼でアップデートはない。
発売時のプリインストールOSはGalaxy S24 UltraがAndroid 14、Galaxy S25 UltraがAndroid 15だ。なお、Samsung Electronicsが7世代のOSアップデートと7年間のセキュリティ更新の提供を保証している点は変わらない。
サイズは若干異なる。Galaxy S24 Ultraは約78(幅)×163(高さ)×8.6(厚さ)mmだったのに対し、Galaxy S25 Ultraは約78(幅)×163(高さ)×8.2(厚さ)mmと約0.4mm薄くなった。Galaxy S25 Ultraの重量は約218gで、Galaxy S24 Ultraの約233gより15g軽くなった。
ディスプレイはどちらも有機ELだが、サイズは6.8型から0.1型大きい6.9型に変更となった。ただし、リフレッシュレートはどちらも1〜120Hzの可変式で変わらない。
どちらもメモリが12GBで、ストレージが256GB、512GB、1TBの3種類から選べる。microSDは引き続き搭載できない仕様だ。バッテリーの容量はどちらも5000mAhとなっており、ワイヤレス充電とワイヤレス給電に対応する。防塵・防水の性能もIP68等級で同じだ。
バッテリーの容量はどちらも5000mAhとなっており、ワイヤレス充電とワイヤレス給電に対応する。
●必要な情報をまとめて教える新機能、セキュリティも重視のS25シリーズ
Galaxy S25シリーズのスペックを見ると、あまり大きな進化は見られないが、スペック重視というより、Galaxy AIで使い勝手を改善する方向性のようだ。それでは、新機能について見ていこう。
Geminiを使ったアプリ間のシームレスな連携が可能になった。例えば、「レストランを探して親にメッセージを送って」「試合スケジュールを調べてスケジュールを追加して」などと指示すると、複数のアプリを必要とする指示内容でも応じてくれる。
「Now Brief(ナウブリーフ)」という新機能では、ユーザーに必要な情報をまとめて教えてくれる。ユーザーの生活パターンや好みに合わせて、AIがユーザーの行動に関連する情報をまとめて知らせる。具体的には、その日の天気、予定、不在着信、その日の出来事のまとめだ。
Now Briefの実装に際してサムスン電子が「何よりも重視した」としているのがプライバシー保護だ。パーソナルエンジン内のデータは全て暗号化し、暗号化キーはセキュリティプラットフォームの中核となる「Knox Vault」に保存される。
生体認証データもここに保存する。ユーザー認証で失敗した際のタイムアウトを延長したり、認証に基づいてキーへのアクセスを管理したりする、セキュリティ上重要なコードを実行するのも、このKnox Vaultで、いわば大事な情報の保管庫のような役割を担っている。
クラウドAIについても保護する。サムスンのクラウドAIはユーザーからの要請後、すぐにデータを削除される。ユーザーのデータが学習や広告に使われることは一切ないという。ユーザーがサムスンのクラウドAIを使いたくない場合、端末設定からオンデバイスAI(端末内処理)のみの使用に切り替えられる。
撮影機能については、AIとデジタルズームで月まで撮影できる静止画撮影機能を継承し、より夜景をきれいに撮影できるようになったとしている。Galaxy S25シリーズでは、動画撮影後に動画から不要な音(音楽や周囲のノイズ音)を除去できる機能を新たに搭載した。
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