就任2日目のアメリカ・トランプ大統領は、就任を記念する伝統行事の礼拝に参加しました。多様性を否定したり、移民を取り締まる大統領令に署名したトランプ氏に、大聖堂の主教が直接説教。慈悲を求めました。
【写真を見る】説教中“仏頂面”のトランプ氏 アメリカの景色は早くも変化
■説教受け、トランプ氏「もっとマシな説教ができたはず」
トランプ2.0で、アメリカの景色は早くも変わりつつあります。
「リトル・メキシコ」として知られるシカゴの繁華街は、いつになく、ひっそりとしていました。
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公約通り、移民の取り締まり強化に乗り出したトランプ氏。この街は、大規模な摘発が行われる最初のターゲットと目されているのです。
シカゴ市民
「怖くて学校に行けない(移民の)子がいる。親を失うのが怖くて怯えている」
さらに、多様性をめぐる政策でもトランプ大統領は「性別は男性と女性の2つだけだ」と演説。
早速、人事にも手を付けました。女性として初の制服組トップだった、沿岸警備隊のフェーガン司令官の解任を発表。理由の一つに、フェーガン氏が多様性を「過度に」重視したことをあげています。
トランプ氏のこうした姿勢を、予想外に諭される場面もありました。
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大統領就任の伝統行事の一つ、ワシントン大聖堂で行われた礼拝。説教をしたバディ主教は、トランプ氏にこう語りかけました。
バディ主教
「大統領、何百万人の人々があなたに信頼を寄せています。神の名の下に、お願い申し上げます。いまこの国で怯えている人々に慈悲を。
ゲイやレズビアン、トランスジェンダーの子どもたちは、民主党、共和党、無党派層の家庭にいます。命の危険を感じている子どももいます。
そして、私たちが食べる作物を収穫し、私たちが使うオフィスビルを掃除して、レストランで私たちが食事した後に皿を洗い、病院で夜勤をする人たち。彼らは市民権あるいは適切な書類がないかもしれません。しかし、ほとんどの移民は犯罪者ではありません」
礼拝後、主教と目も合わそうとしなかったトランプ氏は…
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――説教をどう思われましたか?
トランプ大統領
「君はどう思った?気に入ったか?おもしろかったか?おもしろくはなかったな。良い説教ではなかった。もっとマシな説教ができたはずだ」
■米中“関税引き上げ合戦”再び? 「フェンタニル」めぐり
二度目となるトランプ政権。いつか聞いたような話も飛び出しました。
トランプ大統領
「中国に10%の関税を課すことを検討している。フェンタニルをメキシコ・カナダに送っているという事実に基づく」
フェンタニルとは、アメリカ国内での蔓延が問題となっている合成麻薬。2023年、過剰摂取で7万人以上が死亡し、史上最悪の麻薬と呼ばれています。
トランプ氏は、このフェンタニルが中国からカナダやメキシコに輸出され、アメリカでの蔓延に繋がっていると主張。中国からの輸入品に2月1日から10%の追加関税を検討しているというのです。
前のトランプ政権でも、中国との“関税引き上げ合戦”に発展しましたが、今回は…
第一生命経済研究所 前田和馬 主任エコノミスト
「1次政権の違いでいうと、中国経済が8年前よりも良くない状況。中国経済をダメージを負うという話になると、当然世界経済にも影響を与えてきますので、それが日本経済にも波及するところは非常に警戒が必要」
中国外務省の毛寧報道官は、「貿易戦争、関税戦争に勝者はいない。中国は国家の利益を断固守り抜く」としています。