市場全体では、2023年に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、社会活動の正常化が進んだことで、競技シーンで着用するためのスポーツアパレル需要が安定。加えて、日常生活での着用を目的としたライフスタイルシーンでの需要や、応援するチームのレプリカユニフォームなどのファンによる需要、訪日外国人客数増加に伴うインバウンド需要も好調で、前年比でプラス成長となった。一方、夏場以降は残暑で気温が下がりづらかったため、秋・冬物の動きが鈍化。気候面の影響を受けやすいトレーニングウェアやゴルフウェアなどは、マイナス成長を記録した。
カテゴリー別では、2023年に続きアウトドアウェアが好調。2024年のアウトドアウェア市場は前年比10.6%増の1880億円(見込値)だった。同社は背景として、アウトドアウェアのファッション性の高さや、機能面への評価の高まり、消費者との接点の増加などを挙げた。また、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」や「パタゴニア(Patagonia)」などの有力ブランドでは、人気定番商品が毎年品薄になるため、前シーズンに買いそびれた顧客がシーズン突入前に早々に購入し、シーズンが本格化する頃には人気定番商品が品薄になるというサイクルが生まれているという。その結果、近年の残暑や暖冬による秋冬物不振の影響が、他カテゴリーと比べて小さく、アウトドアウェアの好調につながっているとした。
2025年のスポーツアパレル国内市場予測は、前年比3.4%増となる6470億9000万円。全体としては2024年から大きく変わる要素は見られず、同様の状況が続くと見ている。カテゴリー別では、アウトドアウェアが前年比9.0%増と引き続き高成長になる見通し。前年比で5ポイントを超える成長予測はアウトドアウェアのみで、引き続きマーケットを牽引する可能性が高いと報告した。