ヨーロッパリーグ(EL)・リーグフェーズ第7節が23日に行われ、AZ(オランダ)とローマ(イタリア)が対戦した。
EL・リーグフェーズの戦いもいよいよラスト2試合。AZはここまで2勝2分2敗の成績で20位と、リーグフェーズ突破のボーダーラインと言える位置につけている。一方のローマは、2勝3分1敗でAZよりも勝ち点を「1」多く積み上げており、順位は14位につける。安全圏と呼べるような状況ではないが、直近の公式戦6試合を4勝2分と無敗で駆け抜けている好調さを、ヨーロッパの戦いにも持ち込みたい。
AZに所属する毎熊晟矢はELでは7試合連続のスターティングメンバー入り。試合は序盤からAZがボックス内へ入っていくシーンが目立ち、両サイドのポケットをうまく使いながら攻略を試みる。だが、ローマ守備陣も中央を固める姿勢を緩めることはなく、ゴール前までは迫れど良い形でフィニッシュまで持ち込めるシーンは少ない。
対するローマもなかなか効果的にゴールに迫ることができず、チャンスと呼べるようなシーンは、29分にアルテム・ドフビクが放ったミドルシュートくらい。このままスコアレスで前半も終盤に差し掛かると、41分にはAZに好機が到来。左サイドから仕掛けたアーネスト・ポクが中央へグラウンダーのボールを送ると、ここはエヴァン・エンディカに先に触られたが、セカンドボールがメックス・メールディンクの前にこぼれる。左足を振り抜いたが、シュートは大きく枠を外れた。
後半に入ると立ち上がりの49分、ローマがチャンスを構築。ボックス左へ流れたボールを拾ったアンヘリーニョがラボーナで中央へ折り返すと、マイナスの位置でフリーになったパウロ・ディバラがダイレクトで左足を振り抜く。しかし、ここはクロスバーの上へ。その後もローマがサイドから攻撃へ転じるシーンを増やしたが、なかなかゴールを脅かすシーンは生み出せず、スコアレスで時計の針が進む。
後半のAZはなかなか敵陣でプレーする時間を増やせなかったものの、76分には毎熊がチームを勢いに乗せる。自陣右サイドでボールを受けると、ワンツーからスペースを前進。華麗な持ち上がりから右サイドへ展開すると、最後はゴール前まで走り込んでヘディングシュートを放ったが、ここはジャストミートせずGKにキャッチされる。続く77分にも右サイド深い位置で起点となり、スフェン・マイナンスがポケットに侵入するが、クロスボールはブロックされる。
この直後、遂に試合の均衡が破れる。80分、AZは毎熊が前方へ預けたボールから素早い攻撃へ転じる。ペナルティエリア手前でボールを収めたトロイ・パロットが左サイドへ振ると、ヨルディ・クラーシがわずかに触ってスペースへ流し、駆け上がってきたデイヴィッド・モラー・ウルフからの折り返しをパロットが押し込む。見事な攻撃を完結させ、AZが終盤に入って先制に成功した。
試合はこのままタイムアップ。AZがホームで貴重な白星を掴み、ELでは3試合ぶりに勝ち点「3」を積み上げた。攻守に存在感を放った毎熊はフル出場している。一方で、ローマはELでは5試合ぶり、公式戦では7試合ぶりの黒星。クラウディオ・ラニエリ監督就任後のELでは初黒星を喫した。
次節は30日に行われ、AZは敵地でフェレンツヴァーロシュ(ハンガリー)と、ローマはホームでフランクフルト(ドイツ)と、それぞれ対戦する。
【スコア】
AZ 1−0 ローマ
【得点者】
1−0 80分 トロイ・パロット(AZ)