若い女性社員を接待要員として、取引先との会合に当たり前のように呼んでいた時代があった。大抵は酒の入る席で、女性社員はお酌をし、華を添えたものだ。
投稿をよせた40代女性は、かつて建設関係の会社に勤務していた頃、料亭の個室で行われた接待に上司とともに参加させられたことがある。接待の相手は公的組織に勤める中間管理職の男性、Aさんだった。
当時は新人だった女性が「とても経験できないような懐石料理」が運ばれてきて、舌鼓を打った。接待とは言え、3人で世間話もするなど終始、和やかな雰囲気だった。
酔いも回り、そろそろお開きかというタイミングで、上司が電話のために離席した。個室にAさんと二人きりになり……。(文:天音琴葉)
「Aさんが私の横に……仲居さんもパタリと来なくなりました」
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結局、上司は電話から戻ってこなかった。
「上司に、故意に置いていかれたんだ! と気がついたのは、上司がなかなか戻ってこず、相手方のAさんが私の横に移って押し倒してきた時でした。その界隈でよくある事なのか、今までマメに出入りしていた仲居さんもパタリと来なくなりました」
どうやら上司は、Aさんに女性を差し出し、その見返りとして商談を成功させようとしたようだ。だが当然、女性は納得がいくはずがない。パニックになりつつも、脱走に成功した。「それから帰宅するまでの事はよく覚えていない」というが、
「何億円の商談が〜と考える余裕もなく、反射的にAさんを引っ叩くか何かして逃げたのでしょう」
と状況から推測する。翌朝、件の上司に呼びつけられ、こっぴどく叱られたからだ。
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一方で女性の脱走劇は営業部門で有名になり、おそらく会社でも上司の行為が、接待の範囲を超えていると問題になったのだろう。以降、女性はほかの上司とチームを組むことになった。
「新しいチームで何十億円の仕事を取れた時は、お酒が美味しかったです」
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