「第97回アカデミー賞」のノミネート作品が、現地時間2025年1月23日に発表された。アニメーション関連の部門では、「長編アニメーション賞」にディズニー&ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド2』やドリームワークス・アニメーションの最新作『野生の島のロズ』、「短編アニメーション賞」に東映アニメーション製作の『あめだま』などが選出された。
「長編アニメーション賞」のノミネート作品のうち、『Flow』はラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督の長編2作目にあたる。洪水に呑まれつつある世界を舞台に、時には運命に抗い、時には流され漂う一匹の猫とさまざまな動物たちを見つめる、圧巻の映像体験ができる作品だ。
「第82回ゴールデングローブ賞」でアニメーション映画賞を受賞するラトビア映画史上初の快挙を遂げており、「第97回アカデミー賞」では「長編アニメーション賞」とともに「国際長編映画賞」にもノミネートを果たした。
『インサイド・ヘッド2』は、カラフルでユニークな“感情たち”の世界を舞台に誰もが経験したことのある“ライリーの物語”を描いた、大人が泣ける感動作『インサイド・ヘッド』の続編だ。ディズニー&ピクサーが贈る最新作として、全世界興行収入でアニメーション映画史上歴代1位となり、子供だけでなく大人も深く感動できる物語として世界中で社会現象を巻き起こした。
『かたつむりのメモワール』は、「アヌシー国際アニメーション映画祭」でクリスタル賞(最高賞)を受賞した、8年もの製作期間をかけた感動のクレイアニメーションだ。幼い頃から周囲に馴染めず、孤独を抱えて生きてきた女性グレース。カタツムリを集めることが心の拠り所だった彼女が、個性豊かな人々との出会いと絆を通して少しずつ生きる希望を見出していく、波乱万丈な半生をユーモアとサプライズ満載で優しく描いている。
『野生の島のロズ』は、『シュレック』や『ボス・ベイビー』、『ヒックとドラゴン』などのドリームワークス・アニメーションが贈る最新作だ。野生の島で起動した最新型アシスト・ロボットの「ロズ」にひょんなことから愛情が生まれ、動物たちと共に生き、島の危機を乗り越えていく感動の物語を描く。アメリカの作家、ピーター・ブラウンによる著書『野生のロボット』シリーズを原作としている。
「第97回アカデミー賞」では「長編アニメーション賞」に加え、「作曲賞(クリス・バワーズ)」、「音響賞」と3部門にノミネートされた。
「短編アニメーション賞」ノミネートの『あめだま』は、“児童文学界のノーベル賞”とも称される「アストリッド・リンドグレーン賞」を受賞した韓国を代表する絵本作家ペク・ヒナの同名作品と『ぼくは犬や』の2作品を原作としたフルCGアニメーションだ。コミュニケーションをとるのが苦手な少年・ドンドンが不思議なあめだまを通じて心の声が聞けるようになり、初めて他人の心を理解し、自身の気持ちを伝えることができるようになる過程を描く。
監督に西尾大介、プロデューサーに鷲尾天と、『ふたりはプリキュア』シリーズを手掛けた名コンビが再びタッグを組んだ。東映アニメーションとしては、これが初のアカデミー賞ノミネート作品となった。
このほか、長編アニメーション賞には『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』、短編アニメーション賞には『美しき男たち』、『イトスギの影の中で』、『フシギなフラつき』、『Yock!』もノミネートされている。「第97回アカデミー賞」の授賞式は、現地時間2025年3月2日にアメリカ・ロサンゼルスのドルビーシアターで開催される。栄誉に輝くのはどの作品となるのか、オスカーの行方から目が離せない。
第97回アカデミー賞
【長編アニメーション賞】
『FLOW』
『インサイド・ヘッド2』
『かたつむりのメモワール』
『ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!』
『野生の島のロズ』
【短編アニメーション賞】
『美しき男たち』
『イトスギの影の中で』
『あめだま』
『フシギなフラつき』
『Yuck!』