今回は、現在62歳の方からの「未納分の国民年金保険料」についての質問です。
Q:現在62歳ですが、まだ働けるので年金の未納分を全部、納付しようと思っています
「年金の追納制度についての質問です。もう何十年も前の学生時代に一部未納期間があります。また、ここ5年くらい未納期間や任意期間かつ未納があります。任意期間以外は免除申請が許可されています。まだ定職に就けていないので、これからも未納期間が長引くと思います。電話で質問したところ、65歳までなら追納できると伺いましたが、はっきりとは理解できませんでした。というのも、担当者によって答えが違っていたからです。現在62歳ですが、まだ働けるので未納分を全部、納付しようと思っています。このような条件にて全てクリアするべく追納は可能でしょうか? 収入は低いですが、追納することによって、満額の年金を受け取ることはできますでしょうか?」(浦島太郎)
A:免除申請して追納できる期間は10年間です。5年前の未納期間に免除申請しているのであれば、『国民年金保険料追納申込書』で追納できます
国民年金保険料の「追納」とは、年金保険料の猶予(支払いを待ってもらう)や免除(一部または全部支払わなくてもいい)、学生納付特例制度の手続きをした人が、後から年金保険料を支払うことができる制度です。追納すると、もらえる年金を増やすことがきますが、追納できる期間は追納が承認された月の前から10年以内です。追納は、猶予・免除などの手続きをした人が対象なので、手続きをしないで未納になってしまった人は、保険料の納付期限から2年以内なら年金保険料を支払うことができます。
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10年経過間近である期間の場合は、追納申込書を追納期限の直前に提出すると、期限までに追納できなくなる場合がありますので、早めの提出が必要です。追納が承認された場合は、日本年金機構から、通知書と追納用納付書が送付されます。追納は、追納が可能な一番古い保険料の月分から順番に追納用納付書で納めることになります。
相談者のおっしゃる任意期間というのは「任意加入制度」のことかと思います。学生時代など10年を超えてしまった年金保険料の未納期間がある場合は、60歳以降65歳になるまで「任意加入制度」を利用できます。しかし、厚生年金に加入している人は、任意加入制度を利用できません。
任意加入できる人は、【1】60歳以上65歳未満の人【2】厚生年金保険に加入していない人【3】老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない人などです。
相談者が65歳まで「任意加入制度」を利用しても満額の老齢基礎年金を受け取ることができない場合は、70歳までは厚生年金に加入して働くことで、経過的加算(老齢基礎年金相当額)がつきます。受け取る年金額を増やすことができるでしょう。
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都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)