今年も受験シーズンがやってきた。忘れられない受験エピソードがある人もいるだろう。
大阪府の50代男性は浪人時代、京都の某私立大学の社会学部を受験したそう。第2次ベビーブーム期で子どもが多く、その上、大学受験ブームでもあったため、私立大学の倍率は20倍ほどもあったという。(文:長田コウ)
「合格できるわけあれへん」
受験は寒さのピーク、2月だった。当時の記憶をこう振り返っている。
「寒かった記憶が今も鮮明に残ってます。学舎に到着し受験票と、受験会場を照合して着席しました。私の会場は体育館でした。とにかく寒い」
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体育館というから、普通の暖房設備は整っていなかっただろう。試験が始まってからも挙手をしてトイレに立つ受験生が後を絶たなかったそう。これでは試験に集中できない。挙げ句、男性も我慢できなくなり挙手をする羽目になり……。
「トイレに向かいますが、なんと! トイレ行列です。私も流石に思いました。『これは、落ちたわ。合格できるわけあれへん』。私の浪人1年は、このように徒労におわりました」
親には怒鳴られ、予備校の先生には想定外だという反応をされたという。そして、気持ち新たに翌年の受験を迎えたようだ。
「翌年、同じ京都ですが、体育館で受験させるようなセコいBランクではない大学を暖かく受験させてもらい、進学を決めました」
今でも、某私立大学の名前を聞くだけで腹が立ってくるそうだ。「行かなくて良かった!」と結んでいた。
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