【競馬予想】AJCC、異例のダービー馬出走で注目度が増すなか、舞台適性から浮上する穴馬にも要注意

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2025年01月25日 07:01  webスポルティーバ

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ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

――1月の中山開催も、はや最終週。開催を締めくくる重賞は、GIIアメリカジョッキークラブC(以下、AJCC。1月26日/中山・芝2200m)です。今年の出走メンバーをご覧になっての、率直な感想を聞かせてください。

大西直宏(以下、大西)今年のAJCCは、例年以上に注目度の高い一戦と言えます。というのも、昨年のダービー馬ダノンデサイル(牡4歳)が出走するからです。クラシックホースがこの時期のGIIに出走するのは、非常に稀なこと。競馬ファンにとって、目が離せないレースだと思います。

 また、ダノンデサイルの鞍上が今回、横山典弘騎手から戸崎圭太騎手に乗り替わる点も興味深いところ。この変更が同馬の走り、さらにはレース全体にどのような影響を及ぼすのか、注目されますね。

――ダノンデサイルの陣営からは「横山典騎手に先約があったこと」「新たな視点を求めたかった」という説明がありましたが、今回の乗り替わりについて、大西さんはどう捉えていますか。

大西 乗り替わり自体、必ずしもネガティブなものではありません。特に今回のように、陣営が「新しい一面を引き出したい」という意図がある場合、その効果は大きいと思います。

 昨年のクラシック戦線でも、乗り替わりによって成功した例がいくつもありました。たとえば、GI菊花賞(京都・芝3000m)を制したアーバンシック。秋から鞍上がクリストフ・ルメール騎手に替わって、前目で運ぶ競馬に切り替えたことで結果を出しました。

 今回のダノンデサイルにおいても、テン乗りとなる戸崎騎手が新たな可能性を見せてくれるかもしれません。

――戸崎騎手の実績と経験からしてその期待は膨らみますが、ダノンデサイルとの相性はどう見ていますか。

大西 戸崎騎手は昨年末のGI有馬記念(中山・芝2500m)で、テン乗りでレガレイラに騎乗。新しい戦法で勝利へと導いた実績があります。

 彼のような、柔軟な乗り方ができる騎手は、ダノンデサイルにも新たな刺激を与えても不思議ではありません。個人的には、好位の馬群のなかで折り合いをつけて、そこから早めに抜け出す競馬をしてくるのではないかと見ています。

――ダノンデサイルはこの中間、調整方法にも変化を加えているようです。

大西 はい。今年からふだんの運動で、坂路を2本乗るスタイルに変化させています。体力強化だけでなく、柔軟性を高める狙いもあるのでしょう。こういった試行錯誤の動きを見ていると、「ダービー馬」という肩書を持つ馬ですが、陣営としては「まだ成長途上の馬」と捉えているのだと思います。

 鞍上の交代の件も含め、調整方法の変化、そして在厩調整による短期間での出走と、新たなチャレンジで臨むAJCC。陣営にとっては、ダノンデサイルの真価を見極める絶好の舞台となるのではないでしょうか。

――ほかの有力馬についての分析もお願いいたします。

大西 2番人気が予想されるレーベンスティール(牡5歳)は、一昨年のGIIセントライト記念、昨年のGIIオールカマーと、中山・芝2200mの重賞を2勝。中山巧者として知られており、得意条件に戻る今回は巻き返しが期待されます。

 ダノンデサイルと同じ明け4歳世代では、コスモキュランダ(牡4歳)が気になる存在です。GII弥生賞(中山・芝2000m)を勝って、GI皐月賞(中山・芝2000m)2着、セントライト記念2着という実績があり、中山コースにおける適性の高さは折り紙つき。世代間の力関係を測るうえでも、注視すべき1頭と言えますね。

――レースの展開については、どう予想されていますか。

大西 中山・芝2200mはコース形状からスローになりやすく、今年もその傾向どおりになると想定しています。

 出走メンバーを見渡してみても、ペースを大きく引き上げる逃げ馬は見当たりません。おそらくアウスヴァール(せん7歳)が単騎で逃げて、2〜3番手で運ぶ馬にとって有利な展開になるでしょう。

――こうした状況を踏まえて、注意を払うべき穴馬候補はいますか。

大西 ボーンディスウェイ(牡6歳)に注目しています。この馬は中山コースでの適性が高く、とりわけスローの流れで好位から競馬を進める形が得意です。3走前からブリンカーを着用し、先行力が安定してきた点もプラス材料です。

 鞍上の木幡巧也騎手も、この馬に対して「キレるタイプではない」ということを理解していて、瞬発力より持続力を活かす戦法を徹底しています。今回も同じような競馬を選択すると思います。

 中山・芝2200mという舞台設定も合っています。ロングスパートが求められる外回りコースで、一瞬のキレ味よりも持久力が問われる条件ですから、これはボーンディスウェイの特徴と一致します。

 過去にセントライト記念(2022年、6着)でこの舞台を経験していますが、当時は後方からの競馬を試みたため、力を発揮できませんでした。しかし、今や自身のスタイルを確立。先行策から、粘り強さを発揮できると考えています。

 ということで、今年のAJCCの「ヒモ穴馬」には、ボーンディスウェイを指名したいと思います。

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