【長岡一也=コラム「競馬白書」】
◆AJCC史上珍しいローテーション
今週のアメリカジョッキークラブカップには、実に26年ぶりに前年のダービー馬が出走する。前走の有馬記念は、初めての年長馬との一戦で、しかも初めて逃げの手に出て3着。
ペースを落とし出て行ったが、ベラジオオペラを振り切るのに脚を使うシーンがあった。それでもこのダノンデサイルは0.2秒差の健闘で底力は見せたと思う。
中山は京成杯を勝っている。そこから日本ダービーにつながっていて、4歳になった今年も一月の重賞からスタートするのは頷ける。
26年前のスペシャルウィークは前走がジャパンCでこのAJCCを勝っていたが、ダービー馬で前走が有馬記念だったケースは、46年前のサクラショウリまでさかのぼらなければならない。
今年のダノンデサイルの出走はAJCC史上でも珍しいことなので、そのレースぶりは注目される。サクラショウリ、スペシャルウィークと年月をへだててダービー馬のAJCCの出走を受け、ダノンデサイルがここでダービー馬4連勝を達成すると期待したい。
自在に立ち回れる戦い方ならどんなレースになっても大丈夫だ。
中山の2200米は特殊なコース。ここでの実績を重く受けとめるべきで、レーベンスティールを次にマークしたい。
セントライト記念にオールカマーをこの舞台で勝ち、トータルで中山コースでは4戦3勝2着1回と不足はない。
前走からの仕切り直しをして再び大舞台へと希望を抱きたい。
もう一頭つけ加えるとすれば、先のある4歳馬からコスモキュランダに注目する。菊花賞、中日新聞杯とここ2走は期待したほど走らなかったが、中山なら違う筈。
弥生賞を勝って皐月賞でレコードタイムにクビ差の2着、秋はセントライト記念2着とコース巧者。58キロを背負った前走でも6着とは言え、勝ち馬と0.7秒差だった。今回の57キロなら、もっと動けるだろう。
今年を占なう年初の一戦の中でも、重く受け止めたい重賞だ。
今年から施行条件が変更されたプロキオンSは、これまでの東海Sが改称されたレースと考えていいだろう。
阪神が工事のため中京のダート1800米という点は重要だ。スタート地点が上がり坂の途中で、向正面の残り1000米すぎから下り坂、それで最後の直線にまた急坂が待っていて、パワーのもとめられるレースだ。
そうなると、やはり中京のコース実績重視となる。
2年連続チャンピオンズC3着の実績があるドゥラエレーデにとって、ここは得意の舞台、能力の高さから力を出し切ればチャンスだ。
伸び盛りの4歳馬サンライズジパングは昨年夏から本格化している。前走は、道中外々を回らされて6着に終わったが、ポジションを取れれば違う筈だ。
あとはコース適性の高いカズペトシーンで、中京のこの距離の2戦2勝が光っている。もう一頭が十分に間隔を取ったオメガギネスを。
「結果出し 弾みをつけて GIへ」