木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第46回
この前、すごく寒い日にゴルフをして、ダウンジャケットをず〜っと着たままプレーしていました。当初の目論見では、最初の2ホールぐらいはダウンを着てプレーし、暖かくなったら脱げばいいと思っていたのですが、あまりの寒さにず〜っとダウンのお世話になりっぱなしに......。結果、途中からへんてこなショットを連発し、自滅しました。
やっぱり着膨れしてラウンドするのは難しいですね。というわけで、今回はいかに厚着をしないでゴルフをするか。そんな話をメインにして、冬のゴルフ全般の話をしていきたいと思います。
まずは、この話から。
(1)アンダーウェアの選択
下着は薄くて暖かいヒートテックの類いが最適です。新製品ほど薄くて性能がよく、温まります。ゆえに、なるべく新しい商品を着るのがいいでしょう。
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長袖でも半袖でも構いません。ただ、長袖のヒートテックであれば、その上に着るポロシャツは半袖をオススメします。そうすれば、腕がスムーズに振れます。
さらに上着を着て、どうせ中は見えないので、ポロシャツはブランド物である必要はありません。個人的には『ユニクロ』のエアリズムポロシャツを愛用しています。布地が薄く、伸縮性もあって、腕の可動域が広がるからです。
(2)風対策は?
アンダーウェアに保温効果があっても、風が吹けば体温を奪われます。風速1mで体感温度は1度下がると言われています。つまり、風速5mとなれば5度も下がって、体感的にはマイナスになることも......。
ゴルフ場では風の通り道になっている高台が結構あります。その意味でも風対策は非常に重要です。
では、どうやったら風を通さないか。これは、撥水機能のあるゴルフ用のベストを中に着ておくのがいいでしょう。水を通しにくいなら、風も通しにくいはず。それに加えて、背中や腰にカイロを貼っておくと、より温かくなります。
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私の出身地は宮城県で、以前真冬にゴルフをやって、ものすごく寒くてしんどかったです。高校時代の同級生とラウンドしたのですが、全員、背中とお腹にカイロを貼っていました。
その日は、最高気温が0度。それゆえ、風が吹けば、体感温度はマイナスです。あれ以来、極寒期のゴルフでは、カイロを貼るのがマストになっています。
(3)冬のゴルフの注意点
冬のゴルフで早いスタート時間を取ると、いろいろと問題が起きやすいです。先日、珍しく8時ちょいすぎのスタートでプレーしたら、4〜5ホールはかなり苦戦しました。
何が大変かというと、グリーンが凍っていて、ボールが止まらないのです。これは、やっていてシラけます。せっかくグリーン手前に乗ったかと思えば、ボールが大きく跳ねて、ツツ〜ッと転がって、グリーン奥まで行ってしまう始末。まさに"ガラスのグリーン"です。
で、今度はパターで返しを打ってみると、案外グリーンの転がりは普通だったりして......。えっ、どうして? となります。これは、グリーンが硬いからボールが跳ねるだけで、パターで転がすだけなら、本来のグリーンの速さとさほど変わらないからです。
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まあ、理屈はそうなんでしょうけど、目の前で今、高速グリーンを見たばかりですから、ついパターは慎重になってしまいますよね。じゃあ、この"アイスグリーン化"、どうやって切り抜ければいいのでしょうか?
答えは、これです。
(4)スタート時間を遅めにする
先日は呼ばれたゴルフだったので、早いスタート時間でした。でも、自分が仕切るなら、絶対に遅いスタート時間を選びます。
10時ぐらいのスタートであれば、グリーンのアイスバーンも溶けています。アイアンで普通に打っても、ボールはピタッと止まります。
それでも、グリーンが日陰になっているホールは要注意です。周りを見て、このホールのグリーンは日光が当たらないと思ったら、慎重に攻めるべきでしょう。午前中は、硬いグリーンになっている確率が大ですから。
あと、スタート時間を遅くした場合、終了時間が日没近くになり、暗くならないか不安になることがありますが、冬至は12月の末頃。最近は日も延びて、自分の経験からして1月末ぐらいなら10時スタートでもなんとか明るいうちにラウンドを終えられます。
ですから、スタート時間が選べるのであれば、冬のゴルフは遅めスタートがオススメです。
(5)冬に便利な小物
冬のラウンドで意外と快適なのが、両手にグローブをはめること。
寒いと手がかじかんでしまいます。簡単な防寒方法は、ズボンのポケットにカイロを入れて手を温めるというやつですが、両手をポケットに入れて歩いていると、つまずいたり、転んだりしたときに大変です。
今から30年ぐらい前、ゴルフ場で両手をズボンのポケットに入れて歩いていたら、つまずいて足をねん挫したことがあります。全治1カ月でした。
ゴルフはクラブなどを持って歩くことが多いので、両手にグローブをはめていると動きやすいですし、防寒対策にもなります。ぜひ試してみてください。
あと、寒いときにやられるのが耳です。故郷の宮城で生活しているときは、風が冷たいので耳をニット帽で覆わないと外に出られませんでした。
関東のゴルフ場では、耳を出していてもなんとか歩けます。けど、皮膚の弱い方などは、あとでシモヤケになって、耳たぶがかゆくなることがあります。
それを防ぐためにも、耳を覆うことができるニット帽はあったほうがいいですよ。ただ、耳を覆うとミスショットが出ることが時々あります。
これは、耳を閉じたことにより、平衡感覚を保ちにくくなるからです。個人的には、移動時には耳を覆って、打つときは耳を外に出すようにしています。
結局、こういう対処もいろいろと面倒なので、遅いスタートを取ったほうが何かとラクかな、と思います。
(6)シミュレーションしてみる
冬のラウンドに行く際にはその前に一度、寒い夜とかに近所の練習場へ行って、冬支度をして打ってみるのがよろしいかと。自分の装備でちゃんとボールが打てるのか? 両手グローブや耳を隠して打っても違和感がないのか? とか。
冬のゴルフでは最初の2〜3ホールぐらいで体が温まることが多いので、脱ぎやすい服を着ておくことも大事かなと。そうすると、タートルネックだと脱ぎづらいとか、わかったりします。
いずれにしても、いろいろと自分で経験してみて、冬のゴルフに備えてください。