JR長野駅前の3人殺傷事件での矢口雄資容疑者(46)逮捕を受け、長野県警は26日午前、捜査本部が置かれた長野中央署で記者会見した。厳戒態勢が取られる中での早朝の逮捕。幹部は、防犯カメラやドライブレコーダーの映像をつなぎ合わせる「リレー捜査」が決め手になったことを明らかにした。
捜査員はこの日朝、現場から東に約3キロ離れた集合住宅に集結。「刃物を使った凶悪犯」(同幹部)であることから、特殊捜査班の捜査員も投入された。住宅内にある同容疑者の部屋は鍵が掛かっていたため、捜査員はチェーンソーなどを使って突入し、午前7時13分に逮捕。同容疑者は暴れる様子は見せなかったという。
県警は事件直後から付近の防犯カメラに残された映像を公開し、情報提供を呼び掛けてきた。会見で吉池正人捜査1課長は「リレー捜査が重要な役割を果たした。多くの情報提供がなされ、重ね合わせて逮捕に至った」と話した。
吉沢敏刑事部長は「多くの皆さんからご協力いただき逮捕できた。心から感謝申し上げる」と述べた上で、被害者の無念などを晴らすため最大限の態勢を取ったと強調。「最短の時間で検挙するという思いだけでやってきた。きょうはそれが実ったと感じている」と語った。