◆ 先発投手として制球力や耐久性を評価
ワシントン・ナショナルズは現地時間24日、中日からポスティングシステムでのMLB移籍を目指していた小笠原慎之介投手(27)との契約合意を発表。マイク・リゾGMが語った獲得経緯と先発陣の構想について、米複数メディアが報じている。
ナショナルズが日本人選手を獲得するのは、前身球団であるモントリオール・エクスポズ時代に大家友和を獲得した2001年以来。大家はチームがワシントンに移転した2005年のシーズン途中に退団しており、小笠原は球団20年ぶりの日本人選手となる。リゾ氏によると、ナショナルズは過去に何度も日本人選手の獲得を試みたが、アジア市場との関係構築に苦戦していたという。
同氏は「我々は小笠原を数年にわたって調査してきた。彼の持つ技術を評価しているし、年齢もチームの計画にフィットする。今回は代理人と深い関係を持っていたおかげで、彼を惹きつけることができた」と説明。小笠原の所属する代理人事務所『WME』には、2010年から2014年までリゾ氏の下でGM補佐を務めていたブライアン・ミニティ氏が在籍しており、両陣営の橋渡しに一役買ったようだ。
また、同氏は「我々は彼を先発投手として獲得した。もちろん、彼はその座を勝ち取る必要があり、若く才能ある投手たちによる5枠の先発ローテーション争いは熾烈なものになるだろう」とコメント。「もし彼がMLBに適応できなければ、我々はいつでも3Aと行き来させるだろう。でも、我々は彼がローテーション争いに加わることを楽しみにしている」と続け、期待感を表した。
小笠原の投球については、「4年にわたって毎年150イニング前後を投げているし、先発投手として素晴らしい球種を持っている」と話し、与四球の少ない制球力や投手としての耐久性、打たせて取る投球によるイニング消化能力を評価。今後はMLBでの成功を目指し、投球スタイルの調整を図っていくという。
ナショナルズ先発陣は27歳の右腕ジェイク・アービン、25歳の左腕マッケンジー・ゴアの2人が昨季10勝を挙げてシーズンを完走。この2投手を軸にミッチェル・パーカー、DJ・ハーツと昨季デビューの両左腕が控えており、新加入の右腕マイク・ソロカ、今季10年目のベテラン右腕トレバー・ウィリアムズに小笠原を加えた7投手が開幕ローテーション候補として予想されている。