今回は、年金の繰り上げ受給をしている方からの厚生年金保険料についての質問です。
Q:62歳で年金を繰り上げ受給しながら仕事もしています。毎月、給与から厚生年金保険料が引かれていますが、これは引かれ損ですか?
「62歳で年金を繰り上げ受給してます。仕事もしていて毎月厚生年金が引かれています。これはただ引かれ損ですか? 引かれないようにする方法とかはありますか?」(波平)A:厚生年金保険料を支払った分、65歳以降にもらえる老齢厚生年金額は増えます
老齢厚生年金の受給額は、厚生年金に加入していた時の報酬額や加入期間などに応じて計算されます。相談者「波平」さんは、繰上げ受給をしているようですが、今厚生年金に加入して厚生年金保険料を支払っているとのことですので、その分65歳以降に多く老齢厚生年金を受け取れます。引かれている厚生年金保険料は無駄になりません。厚生年金加入者は、65歳時点で、それまで納付した厚生年金保険料にもとづいて老齢厚生年金受給額が決定されます。
会社に勤務している人は、原則厚生年金に加入することになります。そのため厚生年金保険料が天引きされます。
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厚生年金保険料を負担する働き方をすると、その分将来多く老齢厚生年金が受け取れます。
65歳以降も厚生年金に加入する場合、基準日9月1日時点までに納めた厚生年金保険料にもとづいて、翌月10月分からの老齢厚生年金額が見直しされます。実際に見直しされた年金額を受け取れるのは、12月(10月・11月分)になります。
なお、厚生年金保険の被保険者で老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金含む)を受け取りながら仕事をする場合、受け取っている老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額が支給停止基準額を超えると、老齢厚生年金額の一部もしくは全額が支給停止となる場合があります(在職老齢年金制度)。
令和6年度の支給停止基準額は50万円です。老齢基礎年金は、在職老齢年金の対象にはなりませんので、支給停止されません。
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都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)