M4搭載「Mac mini」を試して分かった注意点

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2025年01月27日 12:21  ITmedia PC USER

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M4チップを搭載するMac mini

 Appleは2024年11月、新しいM4/M4 Proを搭載した新型Mac miniを発売した。新SoC以外にも、厚さこそ約50mmと従来の約35.8mmから増えてはいるが、フットプリント自体は、従来の約197×197mmから約127×127mmへと大幅に小型化しているのが特徴だ。Mac miniのデザイン変更は、2010年以来のこととなる。


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 そんなMac miniだが、発売から2か月以上が経っており既に手にしている読者も多いだろう。しかし、まだ購入を迷っている、あるいは4月からの新生活に向けてPCの購入を検討しているという人もいるかもしれない。そこでこの記事では、Mac miniの購入を検討している人に向けて、Mac miniが普通のデスクトップPCやノートPCと何が違うのか、何ができるのかといったことを中心に紹介していきたい。


●M4チップ搭載 小さくなったMac mini


 今回試用したMac miniは、M4チップ(10コアCPU/10コアGPU)に16GBメモリ、ストレージは容量512GB SSDのモデルだ。カスタマイズしなければ、Apple Storeでの価格は12万4800円となる。


 ただし、Mac miniを利用するには別途ディスプレイとキーボード、マウスなどをそろえる必要がある。全て純正でまとめる必要はないが、Touch IDを使いたいのなら純正のMagic Keyboardが必須だ。これらを所有しているのなら別だが、新たに買いそろえるのなら、プラス3万円〜程度の出費となるので注意してほしい。 


 Mac miniのインタフェースは、前面にUSB 3(USB Type-C/最大毎秒10Gbps)×2と3.5mmヘッドフォンジャック、背面にThunderbolt 4/USB4(最大毎秒40Gbps)×3、HDMI出力、1000BASE-T対応の有線LANの各端子を備える。


 背面の3基あるThunderbolt 4端子はDisplayPort 1.4出力にも対応しており、HDMI出力端子を含めて、最大で3台のディスプレイに出力可能だ。最大8K解像度に対応している。


 なお、背面のギガビットEthernet端子は、オプションで10GbE対応に変更できる(+1万5000円)。接続するルーターやハブ次第ではあるが、有線で利用するつもりなら10GbEを選んでもいいだろう。もちろん、Wi-Fiでも利用可能だ。Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)に対応する他、Bluetooth 5.3を利用できる。


 電源ボタンは底面に配置されている。発表時には「なぜそこに」という声も多かったが、初期セットアップ以降、電源ボタンを触る機会はほぼないので、特に困ることはなさそうだ。


 ミニPCの場合、本体にスピーカーを搭載していないことも多いが、ディスプレイにスピーカーがあればHDMI出力やUSB Type-C経由で音を鳴らすことができる。ただ、スピーカーを内蔵していないディスプレイもあるので、そのような場合には別途スピーカーの用意が必要になってしまう。


 その点、Mac miniにはスピーカーが内蔵されているので、ディスプレイにスピーカー搭載されていなくても問題ない。さすがに音楽や映画をじっくり楽しむという用途には物足りないが、YouTubeの動画をちょっと見る程度なら十分な性能だ。


●ベンチマークで性能を確認


 PCとしての性能はいまさら説明するまでもないとは思うが、一応、ベンチマークテストで確認しておこう。利用したのはCINEBENCH R23とCINEBENCH 2024、そしてGeekbench 6だ。参考として、M3チップ(8コアCPU/10コアGPU)を搭載したMacBook Airの結果も掲載する。


CINEBENCH R23


Mac mini(M4)


・CPU(マルチコア):1万3868pts


・CPU(シングルコア):2217pts


MacBook Air(M3)


・CPU(マルチコア):9316pts


・CPU(シングルコア):1895pts


CINEBENCH 2024


Mac mini(M4)


・CPU(マルチコア):944pts


・CPU(シングルコア):174pts


・GPU:4157pts


MacBook Air(M3)


・CPU(マルチコア):552pts


・CPU(シングルコア):141pts


・GPU:3780pts


Geekbench 6


Mac mini(M4)


・CPU(マルチコア):1万5110


・CPU(シングルコア):3872


・GPU(OpenCL):3万8114


・GPU(Metal):5万7961


MacBook Air(M3)


・CPU(マルチコア):1万1839


・CPU(シングルコア):3165


・GPU(OpenCL):3万1711


・GPU(Metal):4万9173


 Mac miniとMacBook AirでCPUのマルチコアのスコアの差が大きいが、これは単純にコア数の差(M4は10コア、M3は8コア)によるものだ。シングルコアで比較すると、M4はM3のおおむね2割増しのスコアになっている。なお、シングルコアのスコア的には、第14世代のCore i9と同程度だ。


 GPUに関しても、1〜2割アップといったところだ。最近はMac対応ゲームも増えてきているとはいえ、まだゲームのためにMacを購入するという人は少ないと思うが、動画や写真の編集もある程度快適に行える性能と考えていい。


●自宅やオフィスでのデスクワーク中心ならおすすめ


 実際どんな人にお勧めなのかを考えてみると、大前提として持ち運ぶ必要がない人ということになる。非常にコンパクトではあるので、宿泊先のホテルなどで電源を確保できるのなら持ち運べなくもない。XREALなどのARグラスと組み合わせれば、ディスプレイの問題も解決する。とはいえ、そこは素直にMacBookを使った方がいいだろう。


 逆に外に持ち出すことはなく、自宅やオフィスでの作業がメインということであれば、設置場所も取らないので快適に利用できる。バッテリーを搭載していないため、電源につなぎっぱなしでバッテリーが劣化してしまうという問題も起こらない。ディスプレイ、マウスやキーボードを別途用意する必要はあるものの、自分好みのものを利用できと考えればそこまでデメリットにはならないだろう。


 Windowsでしか利用できないアプリを使用する必要があるという場合も、有償の「Parallels Desktop」や無料化された「VMware Fusion Pro」を利用すれば多くの場合なんとかなるはずだ。ノートPCではなく、コストパフォーマンスに優れたデスクトップPCの購入を考えているのであれば、悪くない選択肢になりそうだ。



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