2000万人が愛用した? 昭和に大ヒットした「カバン」の開発秘話

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2025年01月28日 11:51  ITmedia ビジネスオンライン

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昭和に大ヒット「マジソン・バッグ」、開発の背景は?

 1960〜70年代にかけて、大ヒットしたカバンをご存じでしょうか。答えは、バッグメーカー「エース」(東京都渋谷区)が手がけたマジソン・スクエア・ガーデン・バッグ、通称「マジソン・バッグ」です。


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 マジソン・バッグが誕生したのは1968年(昭和43)のこと。当時の売価は1500円ほどで、現在の価格に換算すると、6000円前後。「当時の中高生にとっては決して安いものではなく、購入することができない人もいました」(同社)


 商品を開発したきっかけは、担当者から「ベーシックなスポーツバッグに横文字をプリントするのはどうか」という声があったそうです。このアイデアを受けて、「ただ意味のない英文字ではなく、 誰もが憧れる場所をデザインに取り入れよう」 と考え、プロレスの殿堂「マジソン・スクエア・ガーデン」(米国ニューヨーク)に着目したそうです。


 バッグ前面に「MADISON SQUARE GARDEN」 の文字をプリントし、その下に、ボクシング、レスリング、フットボールと米国の人気スポーツ名をあしらいました。……あれ? マジソン・スクエア・ガーデンは屋内競技場なので、フットボールはできないはず。にもかかわらず、なぜフットボールの文字が並んでいるのでしょうか。


 同社によると「マジソン・スクエア・ガーデンでフットボールができるわけがないのですが、 そこは、大らかな昭和時代ならではのご愛嬌です」とのこと。


 マジソン・バッグは中学生や高校生を中心に、通学用のカバンとして人気を集めました。模倣品が出回ったことを受け、商品を手にした学生の間で「本物か、偽物か」が話題になることも。


 社会現象を巻き起こしたマジソン・バッグは、どのくらい売れたのでしょうか。「発売から10年の間に、エース社製だけで1000万個、 類似品を含めると2000万個以上(推測)が市場に流通しました」(同社)。当時の人口は1億人ほどだったので、日本国民の5人に1人が持っていた計算になります。


 ちなみに、エースが運営する「世界のカバン博物館」(入館料無料)では、 当時の「マジソン・バッグ」のほかに、1970年の大阪万博を記念し製造した「万博バッグ」、日本初の純国産スーツケース「デボネア」を展示。また、都電車掌鞄や国鉄救急用鞄など、 昭和を彩った鞄が並んでいます。



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