元タレント中居正広さん(52)の女性とのトラブルを巡る一連の対応への批判を受けて、フジテレビが27日夕に開いた記者会見は、日付を越えて10時間23分もの異例の長時間に及んだ。港浩一社長と嘉納修治会長の辞任、第三者委員会による調査を通して信頼回復につなげたいフジ側に対し、同社に隠然たる影響力を持つフジサンケイグループ代表の日枝久氏の責任を追及する報道陣側との間の溝が埋まることはなかった。
昨年12月以来、週刊文春などが中居さんのトラブルにフジ社員が関与したと報道。フジ側は今回の会見でも「社員は関与していないと判断している」との認識を改めて示した。
一方、フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)双方の相談役を務める日枝氏の存在感に関して、フジ・メディアHDの金光修社長は「企業風土の礎を作っていることは間違いない」と認めた。しかし、日枝氏の経営判断への関与については、嘉納氏は「相談や報告、知恵を借りることはあるが、日常の業務は私と港で決めている」と否定した。
納得しない報道陣からは日枝氏の責任を問う声が殺到。質問に立った記者が、会見に姿を見せなかった日枝氏に向けて「日枝さん、この会見をご覧になっているんですよね」と、語気を強めて呼び掛ける場面もあった。
ただ、フジテレビの遠藤龍之介副会長は会見で、第三者委員会の調査報告書をまとめる時期をめどに「すべての常勤役員が責任を取るべきだ」とも発言しており、日枝氏の今後の動向が注目される。
記者会見を終えて一礼するフジテレビの港浩一社長(奥中央、27日付で辞任)ら=28日午前2時23分、東京都港区