バルセロナに所属するスペイン代表DFアレハンドロ・バルデが、ヘタフェ戦で自身が受けた人種差別行為について言及した。28日、スペイン紙『マルカ』がコメントを伝えている。
人種差別騒動が起きたのは今月18日に行われたラ・リーガ第20節ヘタフェvsバルセロナ(△1−1)の一戦。バルデは前半の45分間で自身に対する人種差別行為を確認したと明かし、ハーフタイムのタイミングで主審に報告を行ったという。その後、主審はラ・リーガが設定するプロトコルに従い、スタジアムの音声を用いながらサポーターに対して差別行為を制止するアナウンスを実施した。試合後には両チームの指揮官が一連の愚行を猛烈に批判。バルセロナを率いるハンジ・フリック監督は「今の時代において完全に間違っている。彼らは家にいなければならない。試合に行くべきではない」と語った。
ヘタフェ戦から1週間以上が経過し、チャンピオンズリーグ(CL)リーグフェーズ・第8節アタランタ戦を前にバルデが会見に出席。「僕たちは非常に重要な試合を控えている。僕らはすでに(リーグフェーズ)突破を決めているが、偉大なライバルとの対戦だ。先日の試合は僕たちに自信を与えてくれた。3ポイントを目指して挑まなければならない」とアタランタ戦への決意を口にしている。
また、ヘタフェ戦での人種差別行為について問われると、「複雑な状況だった。僕はヘタフェで何度も侮辱を受けた」とコメント。一方で、「3人か4人が侮辱したからといって、スペインサッカー全体を一括りにして批判するべきではない。責任がある人を特定し、法の裁きを受けなければならない」と冷静に意見を主張した。
さらに、「個人的に僕はこうした侮辱に影響されるタイプの人間ではない。(差別的な用語で)“黒人”と言われても気にしない」と発言。続けて、「それに驚いたのは彼らのキャプテンが黒人だということだ」とヘタフェの主将を務めるジェネ・ダコナムが黒人であるにも関わらず差別行為を行ったサポーターに向け疑問を投げかけている。