アメリカ・ワシントンで1月20日、ドナルド・トランプ氏の大統領就任式が行われ、通算2期目のトランプ政権が始動した。
米国訪問は「早ければ今秋」
「就任式には、トランプ氏をかねて支援してきたテスラCEOのイーロン・マスク氏や、アマゾンやグーグルといった大手IT企業の社長など、政財界の豪華な面々が出席。世界中から注目を集める中、トランプ氏は“今からアメリカの黄金期が始まる”と宣言しました」(全国紙政治部記者)
トランプ氏の再選は日本の政治や経済など、さまざまな面に影響をもたらすことが予測される。それは、皇室も例外ではないようだ。
「’19年、大統領1期目だったトランプ氏はメラニア夫人と、令和に入って初の国賓として来日しています。その際、天皇、皇后両陛下は晩さん会を開くなどし、トランプ大統領夫妻をもてなされました。今回の再就任にあたって、今度はトランプ氏側が両陛下をアメリカに招く可能性が考えられます」(皇室ジャーナリスト)
両陛下の訪米の時期について、宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司さんは「早ければ今年の秋」だと予想する。
|
|
「アメリカは日本にとって最も重要な国ですし、前例を見ても陛下の在位中に訪問されるのは間違いありません。天皇の外国公式訪問は政府が決めることですから、そこには外交的思惑もあるでしょう。政府としてはトランプ大統領の在職中で、かつ早いタイミングがありがたいのではないでしょうか。ただ、先方国からの招請が必要ですから、トランプ大統領の考え次第です」
40年越しの悲願
幼少期をニューヨークで、一度帰国した後、高校と大学時代をボストンで過ごされた雅子さまにとって、アメリカ訪問には特別な思いがおありだろう。
「雅子さまは高校1年生の夏にボストンへ引っ越し、飛び級で州立ハイスクールの2年生に編入しています。地元新聞の成績優秀者の欄に、常に名前が掲載されるほどの秀才で、当時のあだ名は“ブレイン”だったそう。また、勉強だけでなくスポーツも万能だった雅子さまは、学内のソフトボールチームのレギュラーメンバーで、4番バッターとして活躍したそうです」(前出・皇室ジャーナリスト)
雅子さまがボストンで過ごされた約6年間の中で、最も印象的なエピソードについて『皇室の窓』(テレビ東京系)で放送作家を務めるつげのり子さんは、こう振り返る。
「雅子さまはハーバード大学に通われていた際、独自に日本文化クラブを立ち上げておられます。『さくら』などの日本の名曲をピアノで演奏されたり、海苔巻きを振る舞われたりと、日本文化を紹介する活動をなさっていました。
|
|
これには、お母さまである優美子さんの“自国の文化を知らずに外国で暮らすと、根無し草になってしまう”というお考えが影響しているのだと思います。雅子さまは、学生のころから自国の文化の発信をアイデンティティーとしておられたのでしょう」
雅子さまにとってアメリカは、考え方や価値観を形成した大切な場所といえるだろう。しかし、意外にも皇室に入られてからは一度も足を運ばれていない。
「陛下も雅子さまも、アメリカから正式に招かれての訪問は一度もありませんから、もし公式訪問が実現すれば、おふたりにとって初のことです。さらに、少なくともご結婚以降は、私的なご旅行でもアメリカへは訪問されていない雅子さまにとって、訪米は約40年越しの悲願といえます」(前出・皇室ジャーナリスト)
訪米時のスケジュールは?
アメリカ公式訪問が実現した際には、雅子さまが“思い出の学び舎”へ陛下を案内されるだろうと、前出のつげさんは話す。
「昨年、両陛下はイギリスを訪問された際に、おふたりの留学先であるオックスフォード大学へ足を運ばれました。雅子さまは今年1月に行われた『歌会始の儀』で、そのときのことを歌にして詠んでおられましたから、学生時代の思い出を大切になさっているのでしょう。そんな雅子さまが、母校であるハーバード大学へと陛下を案内される可能性は高いといえます」
|
|
また、’01年に世界を震撼させたテロ事件の現場へも足を運ばれるだろう。
「’01年のアメリカ同時多発テロ事件では多くの日本人も犠牲となりました。その慰霊碑があるニューヨークのグラウンドゼロへも追悼のため訪問されると考えられます。ホワイトハウスのあるワシントンDCでトランプ大統領夫妻と再会されたのち、ニューヨークへ。そしてハーバード大学のあるボストン、という順番で徐々に北上するスケジュールを組まれるのではないでしょうか」(つげさん)
アメリカ訪問という雅子さまの悲願が実現すれば、日米の親善はさらに深まるだろう。
山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている
つげ のり子 西武文理大学非常勤講師。愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』など