連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第85回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります！
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【画像】配達員用アプリで見られる、週ごとの収入が記録された画面のスクリーンショット
今回は2月17日からスタートする確定申告のお話です。
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私は10代の頃からライターをやっているので、毎年確定申告をしています。出版社や編集プロダクション、ライター事務所からは毎年1月に支払調書や源泉徴収票が郵送されてくるので、それを使って確定申告書を作成していました。ですが、ウーバーイーツからは支払調書のような収入を証明するものが送られてきません。
ウーバーイーツの配達を始めたのが2018年1月。そしてウーバーイーツからの収入を確定申告書に記載することになったのが、2019年2月に提出した平成30年分の確定申告書。当時の書類提出日を見ると2月28日。面倒な作業はさっさと終わらせたいという理由で普段は2月20日までに申告書の提出を済ませるのですが、この年は支払調書のないウーバーイーツの収入をどうするか、税務署の相談コーナーで詳しく話を聞いたので時間がかかりました。
当時、ウーバーイーツから配達員に一斉メールで「確定申告はちゃんとやりましょう」という旨と「こちらを使って申告しましょう」と書かれた、会計ソフトのメーカーへのリンクが送られてきたのですが、ウーバーの収入を具体的にどのように計算して書類に書き込むかといったことはメールに記されてなかったので、不明な点は税務署で聞くしかない状況でした。
そんなわけで、税務署の方と相談した結果、ウーバーイーツの収入を証明するものとして提出したのは、配達員用のアプリにある「週ごとの収入が記録された画面のスクリーンショット」と、年末年始にまたがる週の「日毎の収入がわかる画面のスクリーンショット」をプリントしたもの、ウーバーイーツからの振り込みが記録された通帳のコピーの提出でした。スクリーンショットや通帳のコピーは正式な書類ではありませんが、話し合いの結果「収入がはっきりわかるものがあればいい」ということになりました。
このように、ウーバーイーツの収入を記載した初めての年の確定申告は面倒なものでしたが、翌年の令和元年分の確定申告からマイナンバーカードの導入や電子申告（e-TAX）の普及で、支払調書や源泉徴収票などの書類を直接提出する必要がなくなりました。おかげでスクショをプリントする面倒な作業はなくなり、手間が大きく省けました。
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さらに、インボイス制度が導入された影響なのか、消費税の適格請求者発行事業者の登録番号をアプリに登録したら、自分が直接発行した覚えはないのですが、請求書というのが自動的に発行されるようになりました。
去年の申告から始まった消費税の確定申告に関しては、私は2割特例という細かい計算を必要としない方式で申告しているので、税務署の方と細かいことは相談していませんが、請求書に消費税額が記されているので、特例の期間が終了しても税金の根拠となる金額の計算はさほど複雑にはならないと思われます。
このように、配達員用のアプリの機能が拡張することで、以前と比べるとウーバーイーツからの収入に関する申告は楽になりました。ですが、配達員用アプリの過去の収入を見られる機能がバグで消えてしまう可能性がゼロではないので、現在は収入画面と、銀行のモバイルバンキングのウーバーから振り込まれていることがわかる画面をスクリーンショットで保存するようにしています。
なので私の場合は、ウーバーイーツからの収入をこのような感じで申告しています。
支払金額 1月1日から12月31日までのチップなどを含む総収入額
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源泉徴収額 0円
これを収支内訳書の「売上（収入）金額の明細」欄に記入。確定申告書の所得の内訳書にも同じ金額を記入して提出しています。
いろいろ相談していて、とにかく言われたのが「ウーバーから1年間でいくらもらったのかを証明できるものを保管しておく」ということ。
ウーバーのアプリの収入確認画面はバグにより表示されないことがたまに起こります。私のアプリも、なぜかいつまで経っても収入が表示されない期間があります。なので、画面は定期的にスクリーンショットを撮って保管しておきましょう。また、振込先の口座の通帳のコピー、もしくはモバイルバンキングの画面もしっかりおさえておきましょう。
今回紹介したのは、私が地元の税務署の方と話をした結果の落としどころのようなもの。細かいことがわからない場合は、税務署の方や税理士の方に相談して申告をしましょう。
文／渡辺雅史 イラスト／土屋俊明
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