満員電車の床に“謎の液体”が流れてきて、車内は悲鳴が響き渡る地獄絵図…「“犯人”は何事もなかったかのように下車」

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2025年01月30日 09:20  日刊SPA!

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 公共交通機関で最も利用者が多いのは電車で、1日の利用者数は全国で数千万人以上にのぼるという。これだけの人が利用していると、なかには「袖振り合うも他生の縁」では片付けられないアクシデントが発生するのもやむなしだろう。今回はそんな電車内での事件を3つ紹介したい。
 都内の広告会社に勤めている吉澤秀平さん(仮名・36歳)は、寝ている客に肩を貸したところ嫌な目にあったことがあるという。

◆女性だと思っていた人物の正体は…

「帰宅時に遅い時間の電車に乗って、うたた寝をしていた時のことでした。左の肩に隣の女性の頭が乗ってきたことがあったんです。たぶん20分ぐらい肩を貸していたと思います」

 そうして過ごしていると、電車が駅に停車した。

「駅に止まるために減速して、慣性の法則が働いて電車が進行方向とは逆の方向にガタンと傾いたんです。それで女性の頭が自分とは反対方向に振られて、自分の頭も女性のほうに振られて、少し女性に寄りかかる形になったんです」

 そのときに、吉澤さんの腹にドスンと重い衝撃が走った。

「かなり強い力で肘打ちをされたんです。『えっ!』と思って見ると、隣に座っていた人物は女性ではなく、40代ぐらいのロン毛の男性でした。ジェンダーレスな格好をした女性だと思い込んでいたんですが……。その男性に『寄りかかるんじゃねえ』という感じで睨まれて……」

 こっちはそこそこ長く肩を貸していたのに……と思ったものの、肘打ちされたことと男性だった衝撃で何も言えず、男性が電車を降りていくのをただ見守ることしかできなかったという。

◆席に座るために下車する人の情報をメモしていた

 吉澤さんは、もうひとつ電車内でもめたエピソードがあるそうだ。

「自分は神奈川県から都内に出勤しているんですが、いつも席は埋まっていて、立っている乗客もそこそこいる状態なんです。1時間ほど乗っているのでやっぱり座りたいじゃないですか? そこでどうやったら座れるかを考えた末に、毎朝同じ電車に乗って、途中下車する乗客を覚えるという手法をやるようになったんです」

 先に下車する人がいたらスマホのメモに残し、それを毎朝見ることで降りる人物を把握していったのだという。

「その手法を実践することで、以前よりも座れるようになったんですよね。それである日、いつものように途中下車する乗客を見つけて、その席の前に立ったんです。座っていた乗客が立ったので『よし座れる』と思いながら、立った乗客を通すために身体を引いた時でした。隣に立っていたスーツ姿の中年女性が斜めに身体を捩じ込んで座ってしまったんです」

 思わず「はあ?」と声を出してしまった。

「暗黙のルールを破る行為じゃないですか? 露骨なまでに嫌な感じの声が出てしまったんですが、その女性は全く動じる様子がありませんでした。むしろ『吠えるな。負け犬が』という感じでため息をつかれたんです。それがめちゃくちゃ悔しくて……」

◆席を横取りした女性にリベンジするチャンスが

 その時の場面が頭から離れず、夢に見るほどだったという

「また別の日のこと。電車に乗り込んで、途中下車する乗客を探していた時のことでした。該当する人物を見かけたんですが、その席の前には既に立っている人物がいました。よく見たら例の中年女性だったんですよ! リベンジしてやろうと思い、女性の隣に立つことにしたんです」

 熱い想いで隣に立ったが、女性が吉澤さんに気づいた様子はなかった。

「何度も斜めに身体を入れるイメージを頭の中に思い浮かべていると、女性の前で座っていた乗客が席を立ちました。例の女性が身体を引いたので、今だと思って斜めに身体を滑り込ませようとした時でした。身体を引いていた女性が吊り革を支点にグルンと身体を回転させて、私の身体をブロックしたんです。というか勢いがついた体当たりで、私は跳ね飛ばされた形でした」

 リベンジするつもりだったが、吉澤さんはズルをして座ろうとして阻止された迷惑客として見られることになってしまった。

「先にやったのは向こうなんですが、他の乗客にとっては、自分はただただ迷惑なやつに映ったらしく、周りから睨まれました。しかも、例の女性からも再度ため息を浴びて、本当にその日は悔しさのあまり眠れませんでした……」

◆満員電車の車内に流れてきた謎の液体

 IT企業に勤務する小西昌也さん(仮名・31歳)からはこんな話を聞いた。

「これは自分が飲んだ帰りに、終電に乗った時の話です。乗り込んだ車両には、ドア横の仕切りに足を伸ばして座り込むサラリーマンがいたんです。満員なのに迷惑だなと思いつつ、自分はその男を避けて奥に進んだんですが……」

 しばらくすると、「キャー」という悲鳴が響き渡った。

「何が起きたのだろうと思っていると、混み合う車内で乗客たちが押し合いをはじめて。かと思ったら、急にその押し合いが二つに分かれ、その間の床を伝ってきたんです。どうも、この液体を避けるために押し合いが起きていたようでした」

◆液体の正体は案の定…

 液体がどこから来たのか辿っていくと……。

「座り込んでいる男性の股から流れてきているようでした。つまり、男性は失禁していて……。電車が揺れて液体が向かう方向が変わるごとに、満員の乗客たちは右往左往することを強いられていました」

 途中の駅に着いたときに、“犯人”のサラリーマンは股間を濡らしたまま、何事もなかったかのように電車を降りて行った。

「ですが、自分を含めた乗客たちの戦いは終わらず、あっちこっちに流れていく尿を避けるためにしばらくの間、右往左往する羽目になりました。革靴につかないように、なんとか死守したものの、いつもの倍以上疲れましたよ……」

 迷惑を“かける側”の心理は理解に苦しむが、意図していないこともあるのかもしれない。なるべく自分がそうはならないよう注意して生活したいものだ。

<TEXT/和泉太郎>

【和泉太郎】
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め

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